クライアント設定の一括展開

続いては、クライアントの設定である。マイナビ商事が抱える80名の社員の中には、当然ながらITに明るくないユーザーもいる。そんなユーザーでも戸惑うことないよう、管理者側で一括設定してしまおう。

まずは、クライアントツールのインストールの流れを見ておこう。Lync Online を使用する場合には、LyncクライアントとなるLync 2010を使用する各PCに、Microsoft Online Servicesサインインアシスタントのインストールが必須となる。サインインアシスタントは、インストールされていない状態でLync Onlineに接続をすると、自動でダウンロードが求められる仕組みになっている。

図2 : サインインアシスタントが導入されていないPCではLync Onlineに接続できない

そして、クライアントの構成の一括設定だが、Office 365ではそのためのツールとして、「Office デスクトップ アプリケーションのセットアップと構成」が提供されている。このツールをユーザーに実行してもらうことでOffice 365に必要となる設定を一括で終えられる。実のところ、こちらを利用すると、Lync Onlineで必須となるサインインアシスタントもインストールされるので、(ユーザーがこのツールを実行可能な環境あれば)Lync Onlineへのアクセス前に実行させるのがよいだろう。

図3 : Office デスクトップ アプリケーションのセットアップと構成

ただし、このツールを実行するためには、ユーザーがクライアントPCの管理者権限を保有している必要がある。

図4 : ツールをインストールするためのボタンにはシールドアイコンが表示され管理者の権限が必要となる

マイナビ商事ではユーザーが不要なソフトウェアのインストールを行えないようにするため、PCに対しては管理者の権限は与えずに一般ユーザーの権限のみを与えている。このような環境では権限が不足しているため、ツールをユーザーに実行してもらいクライアントの設定を行うことはできない。

ユーザーに管理者権限を与えないで、Lyncクライアントを展開する場合にはユーザーにPCを配布する前に手動で設定を行っておくというような対応を検討する必要がある。

マイナビ商事ではActive Directoryを導入しているので、グループポリシーのソフトウェアインストールを使用してMSI形式でファイルが提供されているサインインアシスタントを各PCにインストールすることも可能だ。

図5 : グループポリシーを使用したサインインアシスタントのインストール

レジストリの設定変更もグループポリシーを利用することで対応できるので、既にユーザーが利用しているPCに対してLync Onlineを使用するために必要な設定を後から反映したい場合にはActive Directoryを有効に活用したい。