プリウスPHVの後部座席と“シカゴ”をつないでSkype会議

さて、快眠をむさぼったあと、唐突だがアメリカのシカゴへホットラインを結んだ。いま弊社では、とあるスマートフォンアプリの開発を進めている。そのデザインを依頼しているのが、シカゴにある会社に勤めるウェブデザイナーだ。ちょうどこの日は、デザイン案決定のための最終ミーティングがあった。「え、いまどこですか?」の問いに「プリウスPHVだよ」と答えた。相手は「……」と絶句した様子。至極まっとうな反応だと思う。

シカゴとプリウスPHVをつないで行ったSkype会議

このSkype会議でポテンシャルをいかんなく発揮したのが、車内にあるシガーソケットだ。1時間を予定していた会議が延びに延び、1時間30分に差し掛かろうとしたとき、ついにMacBook Proのバッテリー残量が危険領域に入った。そこで取り出したのがインバーターだ。シガーソケットに接続し、DC12VをAC100Vに変換するタイプで家電量販店で購入可能。このインバーターを使えばクルマに充電された電力を取り出すことができる。さっそく設置したインバーターにACアダプターを接続し、MacBook Proは復活。問題なく会議を続けることができた。

シガーソケットに接続し、DC12VをAC100Vに変換するインバーター

音楽を聴きながらリラックスして仕事

長時間の会議が終わり、車内はリラックスムード。そこで音楽を聴くことにした。僕たちの合宿では、車内でもiPhoneをメインの音源とするのが定番で、シガーソケットに接続するタイプの変換器を使っていた。ところがプリウスPHVで音楽を聴く方法はもっとスマートだ。その秘密が、シガーソケットの隣に配置されているUSBポート。USBポートにiPhoneを接続すれば、iPhoneは充電状態になり、クルマのスピーカーから楽曲が再生され、一石二鳥である。さらにはシガーソケットを占有しないので、MacBook Proをそのまま利用可能。一石三鳥というわけだ。

シガーソケットの隣に、USBポートが設置されている

さて、iPhoneの活用方法は単に充電ができて、端末内の音楽が聴けるだけではない。「トヨタフレンド」と呼ばれるネットワークをiPhoneやAndroid端末から利用できるのだ。これは、いわゆるSNSのことで、友人や家族、トヨタ販売店などが発信する情報を“つぶやき”としてチェックできる。それだけでなく、プリウスPHVのバッテリー残量が少なくなったら、充電を促す通知をクルマのつぶやきとして発信してくれるのだ。人とクルマがコミュニケーションを取れるなんて、僕がまだ幼かった頃に観たアメリカのカーアクションドラマ『ナイトライダー』みたいだ。

後部座席を倒せばiMacだって置けちゃう!

一晩をサービスエリアで過ごした翌日、いよいよ大阪市街地についた。普通ならカフェにでも入って仕事をするのだが、この企画ではそれを許さない。編集部の指示に従い、弊社の新しい執務スペースをプリウスPHV内に設けた。とはいえ、ラゲッジスペースにiMacを配置しただけなのだが、意外な発見があった。それは採光性。自宅兼オフィスよりも非常に眺めがよく、窓から差し込む陽光が心地よい。晴れた日には大きくハッチバックを開け、あたかもカフェのオープンテラスで仕事をしているかのようなリラックスムードが味わえる。

弊社の新しい執務スペース。採光性が高く心地よい。通行人の目さえ気にならなければ、快適な作業空間といえよう