外出先で、見たいテレビ番組の録画予約をし忘れていたことに気が付く。こんなとき、どうしたら良いだろうか。家に電話しても「やり方が分からない」と断られるのが分かっているのであれば、残念だがもう諦めるしかないだろう。家電に弱い家人と言い争ったところで、何も解決しないのだから。しかしいま、こんな窮地を救ってくれるありがたい録画対応機器が続々と出ている。「メール録画予約機能」が使える、東芝製のレコーダーだ。

本レビュー記事は、Android情報を専門に取り扱う僚誌「AndroWire」の連載『自腹ガジェット道場』を再構成したものです。

筆者がメール録画予約機能を利用するため昨年末に購入した東芝REGZAレコーダー「RD-BR600」

メール録画予約機能とは、文字通りEメールでテレビ番組の録画予約ができるという機能。手持ちのスマートフォンがネットにつながりさえすれば、地球上のどこからでもあなたの部屋のレコーダーに録画予約の指示が送れるのだ。これには、東芝のREGZAブルーレイレコーダー、東芝の液晶テレビREGZAおよび東芝のブルーレイレコーダーVARDIAのいずれも比較的最近発売されたものが対応している。詳しい品番は東芝のHPで確認して欲しい。「ネットdeナビ設定」の「メール録画予約機能」が利用できるモデル、で調べると良いだろう。

メール録画予約機能を利用するにあたっては、最適なAndroidアプリが用意されている。その名もズバリ「録ってREGZA」という。録ってREGZAの動作実績はマーケットやデベロッパーのサイトで確認できるので、利用の前に手持ちのスマートフォンおよび録画対応機器が対応しているかどうか、よく確認しておこう。ここから先は、このアプリの使い方を順番に説明していく。なお、準備に必要なものは利用している機器や契約しているプロバイダなどによっても変わってくる。環境が異なれば準備も異なるわけで、本稿がアプリの動作を保証するものではない点、あらかじめご了承いただきたい。

録ってREGZAのダウンロードページ(写真左)。東芝のHPでは、メール録画予約機能に対応している機器の品番が確認できる

録ってREGZAの動作実績はマーケットやデベロッパーのサイトで確認可能だ

利用環境を整えよう

メール録画予約機能は、スマートフォンでテレビのラテ欄が閲覧できる別の作者のアプリと連携して使用する。これには「TV番組表」「テレビ王国」「テレビ欄」などが対応している。ラテ欄のレイアウトなどを確認してみて、使いやすいものを選ぶと良いだろう。

テレビ欄の利用イメージ。1週間先の情報まで閲覧できる

録画対応機器は、インターネットに常時接続させなければならない。しかし筆者の環境では東芝REGZAブルーレイとWi-Fiルーターが別の部屋にあり、有線で接続できなかった。そのため、市販の無線LANコンバータを利用することにした。筆者が購入したのはPlanex製の「手のひらサイズ 300Mbps無線LANコンバータ(子機)FFP-PKC03」だ。実売価格は2,500円ほど。

300Mbps無線LANコンバータ FFP-PKC03(写真左)

録画指示はEメール送信で行う。これにはGmailとYahoo!メールを使ったやり方を紹介したい。Gmailアカウント(録画予約メールの送信に使う)は、Androidスマートフォンで普段使っているもので構わない。Yahoo!アカウント(受信に使う)は、新たに専用アカウントを作成することをオススメする。録画予約は録画対応機器がYahoo!アカウントの未読メールを読み込むことで完了するので、普段使っているYahoo!アカウントを使う場合は、誤って未読の録画予約メールを開かないように気をつけよう。アカウントを作成したら、「POP/SMTPアクセス」機能を利用できるように設定する。詳しくはYahoo!メールのヘルプを参照のこと。

さて、これで利用環境は整った。録画対応機器はメール録画予約機能に対応するものか、およびネットに常時接続できる環境を構築できるか、Androidスマートフォンにはアプリ「録ってREGZA」とラテ欄閲覧用アプリをインストールしたか、Yahoo!メールアカウントはPOP/SMTPアクセスで利用できるようになったか、いま一度確認して欲しい。

設定してみよう

ここからは、設定の手順を具体的に説明していく。無線LANコンバータを自宅のWi-Fi環境で使えるように設定した後、東芝REGZAブルーレイレコーダーに有線で接続。レコーダーの「設定メニュー」から「ネット機能設定」を選択し、「アドレス/プロキシ」の設定画面で適当なIPアドレスなどを手打ち入力する。「接続確認」で、ちゃんとインターネットに接続されているか確認しておくこともお忘れなく。

東芝REGZAブルーレイのネット機能設定画面のイメージ

録ってREGZAには、録画対応機器への設定を最大で3つまで保存しておくことができる。同アプリに対応している機器を複数所持している場合に便利だろう。「設定」では「録画機器の種別」「REGZAが受信するPOP3メールアドレス」(Yahoo!メールアカウントのアドレス)、「メール送信方法」、「番組の記録先」などを細かく設定できる。「番組タイトルの追加」にチェックしておくと、録画予約メールの件名が番組の名前になるので何の番組を予約したか、後から容易に確認することができるようになる。

録ってREGZAの利用イメージ。予約履歴も残るようになっている(写真右)

さて、今度はアプリ「テレビ欄」を起動させる。ラテ欄が表示されるので、録画予約したい番組を選んでタップしよう。するとポップアップメニューが表示される。「共有」を選ぶとアプリケーションの選択画面になるので、録ってREGZAを選ぶとGメールアカウントからYahoo!アカウント宛てに録画予約メールが自動送信される。画面に「予約メールを送信しました」の表示が出たら成功だ。

テレビ欄の利用イメージ

レコーダーは3時間毎(2時/5時/8時/11時/14時/17時/20時/23時)にしか録画予約の情報を受信しないので注意したい(レコーダーの電源がOFFのとき)。例えば19時台の番組を予約したいときは、17時までに録画予約メールの送信を完了しておこう。

東芝のHPでは、録画予約メールの仕組みが解説されている(写真右)

なお、東芝純正のスマートフォン/タブレット端末用アプリも複数存在する。「RZ見るナビ」は、別の部屋にあるレコーダーで録画した番組を、離れた部屋のテレビで視聴できるようになるもの。「RZタグラー」は、録画番組のシーン頭出し情報を記録・共有できる「タグリスト作成」や「タグリストシェア」、スマートフォンでテレビやレコーダーを操作できる「タッチリモコン」などの機能を搭載している。いずれもユーザーにとっては重宝するアプリと言えるだろう。利用シーンに合わせて、うまく使い分けたい。

RZタグラーの利用イメージ。タッチリモコンを使えば、通常純正リモコンで行う操作がスマートフォンのタッチパネル上で行えるようになる

録ってREGZAが使えるようになれば、テレビ番組の録画予約もできないアナログな家人を恨めしく思う気持ちを持たなくて済むようになる。それどころか、録画した番組を仲良く一緒に視聴する心の余裕も出てくるだろう。

(記事提供: AndroWire編集部)