【レポート】

デジタルクリエイターの祭典「eAT KANAZAWA 2012」密着レポート【7】

石川県金沢市を舞台に、メディアアートとクリエイターの祭典「eAT KANAZAWA 2012」(以下、イート金沢)が1月27、28日に開催された。同イベントの様子を数回にわたって紹介してきた本レポートもついに最終回。今回はイート金沢の最後を締めくくる「夜塾」の様子をお伝えする。

デジタルクリエイターの祭典「eAT KANAZAWA 2012」密着レポート【1】
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まだまだ続くイート金沢、「夜塾」

セミナーが行われた金沢市民芸術村から車で約50分。金沢湯涌温泉に場所を移して行われるのがイート名物の「夜塾」だ。講師陣、一般参加者合わせて150余名が大宴会場で車座になり、夜どおしのグループ討論を行うのが目的だ。

夕食をとったのち、大宴会場には温泉を満喫した講師陣や参加者が浴衣姿で現れ始める。このリラックスした雰囲気がまたいい。討論会の前には参加講師陣や実行委員のメンバーから提供された大プレゼント大会が行われた。昨年の名人賞・鄭秀和氏からウン十万円もするオリジナル家具の提供があったり、とても貴重な品だが当選者は困惑顔といった珍品まで、各所で悲喜交交の光景が今年も見られた。また、昨晩に引き続き金沢市長・山野之義氏が駆けつけ、「大いに刺激を受け、起業やイノベーションを起こしてほしい」と熱いメッセージを送った。

グループ討論会は、今回のセミナーテーマ、テクノロジー・アート・アースの3グループに分かれて、各々自由参加、移動OKというざっくばらんな形で始まった。各登壇講師陣を囲んでの討論会は、参加者にとって貴重な経験になるだろう。事前に質問を準備している人、セミナーの内容を掘り下げて疑問を投げかける人、進路の悩みを打ち明ける人など、その質問内容はさまざまだが、どの質問に対しても講師陣は真摯に、ときに笑いを交えながら受け応えしていく。これが明け方まで続くのだ。もちろん、サービス精神がそうさせる面はあろうが、人と人が膝を向き合わせることで起きる化学反応的なパワーも少なからずあるように思える。

そのパワーは、普段ある日常からは生まれないだろう。ひとつの空間で、共通のテーマ意識を持って臨んだ講師陣と参加者がいるからこそ生まれるパワーだ。イート金沢にはそんな熱いコミュニティが存在している。昨年も密着取材をしたが、未来に目を向けている人たちを、未来に耕しているゲストがおもてなしする、そんなコミュニティが続いているというのが取材後の感想だ。

そして、イート金沢の運営はすべて市職員、実行委員、そして多くのボランティアスタッフが支えているという事実。プロでなくとも、ちゃんと人が機能さえすれば、コミュニティとしてのパワーは持続できるのだ。

イート実行委員のひとり、宮田氏は「ITは接着剤のようなものだ」と言っていた。その接着はますます瞬間化している。しかし、生産効率や情報伝達といったことだけで我々のくらしは豊かにはならないだろう。人と人が結びつき、その結ぶつきがうまく機能したときに、豊かなくらしが生まれるのではないか。大切なのは、人が機能することだ。

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