イラストを描いたり、文字を書くときは「ペン」を使う。この当たり前な行為をパソコンやタプレットデバイスにおいて実現するのがスタイラスペンだ。本レポートでは、ペンタブレットのトップシェアを誇るワコムからリリースされているiPad用スタイラスペン「Bamboo Stylus」を実際に使い、リアルな使い勝手をレビューしていく。

「Bamboo Stylus」に出会うまで

iPhoneやiPadに代表されるタプレットデバイス類は指でオペレーションする事を前提に設計されており、誰でも手軽に操作できることが魅力だ。しかし、イラストや文字を書き込むとなると、お世辞にも使い勝手がよいとはいえない。ただでさえ狭い画面を指もしくは手で隠してしまうことになるからだ。

そのため多くのメーカーからスタイラスペンが発売されており、筆者もiPadを購入した当初は、さまざまなスタイラスペンに手を出した過去がある。当時のペン選びでは、グラフィックデザイナーという職業ゆえ、「SketchBook Pro」といったドローイングアプリなどで絵を描くことに重点を置いていた。しかし、実際には絵を描くことよりも、PDF書類に何かを書き込んだり、iPhoneやiPadをデジタルノートとして使い、アイデアなどを素早くメモする機会の方が多いことに気付いた。

例えば、筆者は美術大学で非常勤講師を務めているが、その授業で配布しているプリントデータのPDF版では、次年度用に修正すべき点や加筆すべき点を書き込みするようにしている(写真はサンプル)

という訳で、本レポートでは「Bamboo Stylus」でお絵描きをするのではなく、より一般的な「メモを記す」という用途で本製品を使ってみたい。次回、具体的な製品特徴などを紹介していこう。