ソニーモバイルコミニュケーションズは2月26日(現地時間)、プレスカンファレンスを開催し、スマートフォン「Xperia」シリーズの新モデル2機種を発表した。スペイン・バルセロナで2月27日から3月1日まで開催される世界最大のモバイル向け見本市「Mobile World Congress 2012」にあわせて公開された。

Xperia NXTシリーズの新製品。中央はすでに発表済みのXperia Sで、同日からバルセロナでの出荷が始まったという

今回発表されたのは「Xperia P」「Xperia U」の2モデルで、1月に発表された「Xperia S」と同じく「Xperia NXT」シリーズの新モデルとなる。両モデルとも、Xperia Sと同様に、本体下部に透明な「フローティングプリズム」を配置し、Xperia Sと共通したデザインを採用している。

Xperia NXTシリーズで最初に市場に投入されたのは、NTTドコモのXperia NX/acro HD

米AT&T向けのXperia ionも同シリーズで、LTEをサポートした同社初の製品

Xperia Sは、アルミニウム外装を採用したボディに、ソニーの「WhiteMagic」ディスプレイ技術を、スマートフォンとしては初めて採用。これは、通常の液晶パネルのRGB(赤緑青)画素にW(白)を加えることで画面の明るさを向上させる技術。もともとはデジタルカメラ用の液晶技術として発表されたが、今回これを採用した。

Xperia S

これによって、外光の強い海辺やゲレンデなどでも、明るく見やすい表示を実現したという。低消費電力モードも備え、明るさを自動調整することで、バッテリ消費を削減する。

本体背面

WhiteMagicを採用することで、画面の明るさを確保したほか、消費電力の削減も可能にした

新たに専用のドック「SmartDock」を使うことで、テレビなどに簡単に接続してXperia Pの画面を大画面に表示できる。Xperia Pでは、端子カバーがなくなっており、本体を横向きにしてそのまま設置できる。ドックにはUSB端子を備え、Xperia Pをキーボードやマウスをつないで操作したり、テレビのリモコンで操作することが可能。

本体側面

ドックに差し込むことで、簡単にテレビなどにXperia Pの画面を出力できる

ディスプレイは4インチのReality Displayを採用し、モバイルブラビアエンジンを搭載する。1GHzのデュアルコアCPU、16GBメモリ、HD動画や3Dパノラマ撮影が可能な800万画素カメラ、NFCなどを搭載。本体サイズは122×59.5×10.5mm、120g。OSは当初Android 2.3(Gingerbread)だが、第2四半期中にAndroid 4.0(Ice Cream Sandwich)にバージョンアップする。発売は第2四半期の中ごろだ。

NFCを搭載。同社のオプションアイテムXperia SmartTagsにも対応する

アルミの外装を採用したことで質感が向上している

Xperia Uは、Xperia S/Pに比べてコンパクトなボディに同等の機能を搭載。フローティングプリズムは、ギャラリーに表示した写真や再生している音楽のアルバムジャケットの色に合わせて光るようになった。底部にはキャップをつけることでカラーを変更でき、ブラックモデルには黒とピンク、ホワイトモデルには白と黄色の2色のキャップがそれぞれ付属する。

Xperia U。下部のキャップは交換可能

本体側面

フローティングプリズムが異なる色で光るようになった

カメラは500万画素だが、HD動画の録画、3Dパノラマ撮影などが可能で、ほかのモデルと同様にスリープ状態から約1秒で撮影できる高速動作を実現。xLoudや3Dサラウンドなど、オーディオ技術も同様に搭載している。NFCは搭載しない。1GHzのデュアルコアCPU、8GBのメモリを搭載し、本体サイズは112×54×12mm、110g。発売は第2四半期中ごろで、同四半期中には、OSをAndroid 2.3から4.0にアップグレードする。

本体背面

今回のプレスカンファレンスでは、ソニーモバイルコミニュケーションズの会長兼CEO・Bert Nordberg氏が、まずソニーの新CEOである平井一夫氏を紹介。平井氏は、「ソニーのキー事業をリビルドする」と話し、その中でソニー製品全体の融合を強調。「1つのソニー」を目指して、テレビやPC、カメラ、ゲーム機、タブレット、そしてスマートフォンといった製品を1つにつなげるのがSony Entertainment Networkだと説明した。

冒頭に登場した平井一夫氏。左がNordberg氏

Nordberg氏は、Video Unlimited、PlayStation Certified、Music Unlimitedといったサービスやほかのソニー製品との連携をすることで、「1つのソニー」での魅力を訴求していきたい考えを示している。

Sony Entertainment Networkを中心につながるソニーの製品

「1つのソニー」をアピールする平井氏

なお、今回は旧ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズがソニーの100%子会社となり、新生ソニーモバイルコミニュケーションズとなって初めての発表ということになる。

(記事提供: AndroWire編集部)

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