【レポート】

Xilinx、新市場の開拓を目指した「Zynq-7020」の動作デモを公開

1 4つのラインナップでトータル20億ドルの市場を狙うZynq-7000ファミリ

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Xilinxは2011年12月に同社のEPP(Extensible Processing Platform)である「Zynq-7020」の出荷を開始した事を明らかにしているが、このZynq-7020のデモを2月17日にザイリンクスで行った。説明に当たったのは、このために本国から来日されたStephane Monboisset氏(Sr.Manager, Processing Platform Marketing)である。

Photo01:Zynq-7020のチップ写真と今回説明してくれたXilinxのStephane Monboisset氏(Sr.Manager, Processing Platform Marketing)

まず氏はZynqが登場する前の、2008年からの動きを簡単に紹介した(Photo02)。最初にアーキテクチャ検討を開始したのは、本国のCEOがMoshe Gavrielov氏に代わった直後くらい、ということになる。アーキテクチャが固まったのは2009年後半の事で、日本でもこのタイミングで合同記者説明会が開催されている。もっともこの時点では、単にARMアーキテクチャを採用する、という以上の情報はなかった。これがもう少し具体的に固まるのは2010年のArchitecturual Announcementのタイミングで、日本でもやはり記者発表会が行われている。同社はこの直後にEmulation Platformを完成させ、Alpha Customerにリリースしており、そのEmulation Platform上にLinuxやAndroidの移植も行っているという。

Photo02:最初のアーキテクチャ検討から3年半ほど掛けて、やっと製品が登場した形になる

2011年にはラインナップも紹介されており、また2011年後半にはソフトウェアプラットフォームや仮想化環境の準備も整い、2011年末にFirst Siliconの出荷が行われたというわけだ。

Zinqの内部構造は以前紹介されたものと大きくは変わらないが(Photo03)、例えば以前はAMBAとAXI Interconnectに分かれていた内部バスがAMBA Switchesに統一された(要するに2本のBusがどちらもAXI Interconnectになった)とか、どちらの内部バスも外部メモリコントローラにアクセスできるようになった(以前の構造だと、Peripheral側のAMBAはメモリコントローラに直接アクセスできなかった)など、恐らく内部構造の見直しがこの時点からだいぶ進んだことを伺わせる。

Photo03:設計が固まったためか、例えばオンチップメモリが256KBと明らかにされるなど、若干ディテールは増している

さて、そのZynqのマーケットだが、こちらで以前紹介が有った通りZ-7010/7020/7030/7040の4製品が用意されているわけだが、この4つのラインナップでトータル20億ドルのマーケットが見込まれる(Photo04)と説明する。これは、従来利用されてきたPowerPC搭載のVirtex FXファミリとは全く異なるターゲットを志向している。つまり従来ならばArtix-7やKintex-7といった製品+MCUなりMPUという形でデザインが行われてきたマーケットに、このZynqは入り込もうとしているわけだ(これについては後述)。

Photo04:ZinqではすべてのモデルでCPU構成は一緒なので、後は必要とされるFPGAのエレメント数とか高速I/Oのリンク数に応じて用途が決まる、という事になる

ただしこうした製品だから、当然ながらソフトウェアとハードウェアの両面でサポートするための環境が必要になる(Photo05)。設計フロー自身も、従来はPhoto06の右側のみだったのが、今度は両方、という形になる(Photo06)。これに関してXilinxは、丁度ARMコアベースのMCUベンダ並みにソフトウェアのサポートの充実化を図った。OSに関してはLinuxベースでSMP/AMP構成をサポートするほか、GNUのtool chainのサポート、デバッガとしてQEMUのサポートを図り、またDeveloper Communityとのコミュニケーションを取っているとする(Photo07)。パートナーとしても既に多くの企業が名乗りを上げており、開発体制が充実していることをアピールした(Photo08,09)

Photo05:オレンジの部分のコンポーネントが、Xilinxやパートナーが直接提供する部分になる

Photo06:もっともデバイス単体で見れば従来はソフトウェアとかは「それほど」要らない(MicroBlazeとかを作りこめば、ソフトウェア開発も必要にはなる)だけで、システム全体としてはソフトウェアとハードウェアの両方の開発が必要なのが普通なので、今度はそれがデバイスレベルに落ちてきた、という見方も出来る

Photo07:Linuxに関しては、単に移植やBSPの準備をするだけではなく、Zynq向けに我々が開発したモジュールをLinux Kernelの開発にフィードバックしている、とMonboisset氏は強調していた

Photo08,09:ARMコア+FPGAとあって、通常のXilinxのパートナー一覧とも、ARMの開発パートナー一覧ともちょっと違うラインナップになっている

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インデックス

目次
(1) 4つのラインナップでトータル20億ドルの市場を狙うZynq-7000ファミリ
(2) 1080p/60fpsの動画をスムーズに再生できる実力を持つZynq-7020
(3) 高性能な割に価格でArtixとぶつかるZynq-7000
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