【インタビュー】

ビジネス英語って日本だけの言葉? 目からうろこの英語勉強法 - ショーンK氏インタビュー

1 その1

 
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英会話スクールに通っているけど、イマイチ相手に伝わる英語が身に付かない……。「どうすれば、いいの?」と思っている方も少なくないのではないでしょうか。

今回は、世界各国で経営戦略コンサルタントとして働く傍ら、海外との取引に従事するクライアント企業担当者など多くの日本のビジネスパーソンに英語でのビジネスコミュニケーションを教えているショーンKさんに、英語を身に付ける上で必要なグローバルマインドや、効果的な英語の学習方法についてうかがいました。

―グローバル化が急速に進む昨今ですが、世界を舞台にしたとき、日本のビジネスマンはどのように対応していくべきだと思いますか?

ショーンK氏:まず、日本人の性格上、世界の企業を相手にしたときに「謙遜(けんそん)しすぎる」傾向があると思います。謙虚さや、つつましやかさ、日本人の失うべきでない美徳であるのですが、世界を相手にしたビジネスの中に入ったとき、それは必ずしも美徳にはなりえません。

自分の利害と相手の利害を調整して(平均点を見つけるという事ではなくて)妥協点ではなく、お互いに納得のいく発展的な合意点を模索(合意形成)するのがビジネスの交渉におけるコミュニケーションだとすれば、やはり議論のスタートは自分と自分の考えをきちんと発信すること、つまりアサーション(自己表現、発信力)がとても大事です。

「国際会議をうまく運営したければインド人をだまらせて、日本人にしゃべらせろ」というジョークがあるくらい日本人はセルフ・アサーションが苦手です。これはむしろ英語の問題ではなく、マインドとビヘイビア(心構えと態度)の問題で、「英語がうまい、下手」の議論以前に重要なことです。

また交渉の進め方もまずいですね。例えば、70(万ドル?)くらいが妥当な落とし所かなと思えば、外国人(特にアングロサクソン系の人種は)は、初めにあえて120くらいの条件を出してくる。

そして相手からのカウンター・オファーを待ちます。「120なんてとんでもない! よくて半分、60だ!」というオファーを受けて、「ならば仕方ない、うちも譲って70だな」という交渉を最初から読んで仕掛けてきます。

しかし、日本人はカウンター・オファーを出す前に相手の出方に驚き、弱腰になってしまうんですね。TPPの問題も国益としての損得勘定よりも通商外交という交渉のテーブルで「どう交渉するか」、「どこまで交渉できるのか」がむしろ問題なのかもしれません。

さて、120の話に戻りますが、海外との交渉の現場で、120というファースト・オファーにビビって「海外の企業はこれだから困る!とんでもないやつらだ!」と言うか、仕方なくニコニコ条件を受け入れるか、契約自体を成立させないか、というオール・オア・ナッシングな意思決定ではダメだという事です。

交渉の場では、譲れないところは譲れない、と主張し、互いの妥協できるところ、合意できる点を見つけていくことが大切なのですが、日本人は、そういった意味で交渉が慣れていない気がします。

もちろん日本人全員がそうだなんて言いません。かなりやり手の商社マン、金融マン、私もたくさん知ってます。

―アサーションのほかに、日本人が気をつけるポイントはありますか?

ショーンK:異文化とかかわるときに、日本人としてのアイデンティティーをもっときっちり意識することも大切です。世界の中でも日本人は日本人としてのアイデンティティーが薄いという印象を受けます。

例えば、日本人がアメリカに行って帰国したとき、「アメリカの場合はこうしていた」とアメリカを礼賛、模倣してしまう人が多い。この反応、実は、日本独自なんです。

イタリア人がアメリカに留学して、アメリカかぶれで帰ってくるなんて見たことがないです。ほかの外国人は海外に出たら、その国の良さをどう自国に生かすかということを考えています。日本人は染まって帰ってきてしまう人が多いのは残念です。

また、日本の歴史、現状など日本について、外国人に対して語れる日本人が少ないのも印象的です。

私はスイス、ローザンヌにある IMD(国際経営開発研究所)で講師をした時に気づいたのですが、マレーシアや中国や中東から来ている生徒は、自国のGDPや輸出相手国、輸入相手国などを、基礎知識として持っています。

そんなの知ってても自分の生活や仕事には支障ないし、関係ない、というのが日本人。一方、そうしたマクロの経済統計や数字をもって自国の魅力を定量的に伝えようと、あたかも自国を代表するかのごとく振る舞うのがインド人でありシンガポール人のビジネスパーソンです。

よく鳥の目(鳥瞰(ちょうかん)力、マクロ視点)、虫の目(ミクロ視点)、魚の目(流れ、動きを読む力)の3つの目が大事だといいますが、自国のGDPは関係ないよ、という人は一事が万事で、ならば御社の営業キャッシュフロー前年同期比は? NOPATは? 採用している資本コストは4%ですか、5%ですか?という質問も答えられません。

今度は「知るわけないじゃないですか。社長じゃあるまいし」と。唯一分かるのが今、自分が扱っている製品のスペックだけという事になる、それではあまりに視野が狭すぎます。視野によって見える視界が違い、視界によって視座(立ち位置)が決まり、視座によって視点(何を見るか)が全く違ってきます。

●お話を伺った方

ショーン・マクアードル川上(ショーンK)氏

経営戦略コンサルタント。さまざまな事業領域における外資系、日系企業の経営戦略、経営再建、事業開発、戦略提携(M&Aなど)、グローバル経営などへの助言、支援を行うブラッドストーン・マネジメント・イニシアチブ代表取締役。現在、東京、ニューヨーク、パリ、シンガポールなど7都市を拠点に経営コンサルタントとして活躍。ベンチャー育成、創業支援、ビジネスリーダーのためのスキル開発トレーニングなどの活動にも従事。また、執筆、ラジオ、テレビのパーソナリティ、コメンテーターなどマルチな活動を展開中。主な著書に「プロフェッショナルの5条件(朝日新聞出版)」、「MBA講義生中継 経営戦略(TAC出版)」、「自分力を鍛える(あさ出版)」、「即聴⇔即答ビジネストレーニング(アルク)」などがある。

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