4月よりスタートする新作TVアニメ『エウレカセブンAO』の制作発表会が、16日、東京・バンダイナムコ未来研究所のファンシアターで行われ、メインキャスト陣と本作のアニメーションを担当する「BONES」(ボンズ)のプロデューサー南雅彦、毎日放送のプロデューサー竹田靑滋が登壇。メインキャスト、オープニングとエンディング曲、劇伴、メディアミックス展開など様々な情報が発表された。以下、発表内容を整理してお伝えしていこう。

キャスト情報

気になるメインキャスト陣だが、主人公のフカイ・アオ役には現在15歳の中学3年生、本城雄太郎を抜擢。アオの幼なじみの少女アラタ・ナル役には宮本佳那子、アオが所属するチーム・パイドパイパーのIFOパイロット、フレア・ブラン役に大橋彩香、同じくIFOパイロットのエレナ・ピープルズ役に小見側千明とフレッシュな顔ぶれが揃った。そして、本日発表された新キャラクター・謎の男トゥルースを演じるのはベテランの井上和彦。今回発表されたメインキャストはすべてオーディションを通して選出したという。

フカイ・アオを演じる本城雄太郎。アオは沖縄・磐戸島に住む少年で、父親は行方不明、母親は10年前に目の前で何者かに連れ去られてしまう

アラタ・ナルを演じる宮本佳那子。ナルはアオの幼馴染の少女。幼いころに遭った事故の影響でユタの力に目覚める。小さい頃から体が弱く酸素吸入器が手放せない

フレア・ブランを演じる大橋彩香。フレアはチーム・パイドパイパー所属のIFOパイロットで優秀なパイロットとしての自覚と誇りを持つ、真面目で勝ち気な少女

エレナ・ピープルズを演じる小見川千明。フレアと同じくチーム・パイドパイパー所属のIFOパイロットであり、何を考えているのかよく分からない、マイペースな不思議少女

放送局情報

番組の放送情報は、4月12日(木)25:55~のMBSを皮切りに、13日(金)25:55~にTBS、18日(水)26:00~にCBC、21日(土)24:00~にBS-TBSと4つの放送局でオンエアされる。また、4月より新たに始まるスマートフォン向け放送局「NOTTV」での展開も決定した。

オープニング&エンディング、劇伴

本作のオープニング曲には、韓国系アメリカ人と日本人の4人からなるロック・バンドHemenwayの「Escape」、エンディング曲には、2008年にセンセーショナルなデビューを飾った沖縄出身のガールズ・バンド、ステレオポニーの「stand by me」を起用。さらに、劇伴はナカコーことNakamura Kojiが務めることが明らかとなった。特にNakamura Kojiは『エウレカセブン』との関わりとして、『交響詩篇 エウレカセブン』の挿入歌にかつて自身が在籍していたスーパーカーの「STORYWRITER」を、劇場版『交響詩篇 エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい』の主題歌に彼の名義の一つであるiLLから「Space Rock」を提供しており、本作との繋がりも深い。彼が劇伴を制作するのは"ほぼ"初のことで「学ぶことも多く、自分にとっては刺激的な制作でした。京田監督からは『今回はロックな感じ』というお話でした。そのイメージをふくらませつつ、幅の広いものが出来ていると感じます。とても楽しみです」とコメントを寄せている。

オープニング曲はHemenwayの「Escape」

ステレオポニーの「stand by me」はエンディングに

劇伴を制作するのは"ほぼ"初となるナカコーことNakamura Koji

タイトルの『AO』に込められた意味

登壇したボンズのプロデューサー南雅彦は「1年間の放送で大団円を迎えることができたので続編は考えていなかった」と、元々はエウレカの続編が構想になかったことを明かした。しかし「大きな画面で見てもらうためのファンムービー」として制作が始まった劇場版『交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい』を通して、京田監督とともに新たな作品ができるのではないかと思うようになり、少しずつ制作を進めてきたという。そして「エウレカというタイトルがもってしまった作品の魅力を、時代時代の表現に合わせて届けること」それが今回の『AO』であり、AO=アオを冠におき、主人公とロボットが密接に関わることで物語が展開する「今の時代で描くロボットアニメーション」と、タイトルに込められた意味を説明している。

本作のメインキャストとオーディション

1キャラ30人程度で行われたというオーディションだが、南は京田監督と作り上げたイメージをもとに、キャラクターを演じるというよりは、実際のアオやフレアやエレナを探していたという。また、本城が15歳、宮本が22歳、大橋が17歳と非常に若い顔ぶれが揃ったことを「結果的に揃ったということですね」と説明。主人公アオについては「中学生くらいの少年というのは、声質の部分もあって女性にやってもらうことが多いですが、もっとリアルな部分に持っていけるのであれば男性も考えていた。それに耐えうる、それを表現しうる若い中学生、高校生くらいの役者はなかなかいないとも思っていたけど、今回見つかったことは大きかった」と本城の起用に自信を覗かせた。本作のキャストには「役者としての可能性、広がり」「キャラクターの進んでいく運命に対して立ち向かっていける役者」を期待しているという。

RA272 ニルヴァーシュ人型機動兵器IFOの元になった存在

4月スタートのアニメの中でも群を抜く作品に

製作発表会の最後には、毎日放送のプロデューサー竹田靑滋が登壇。冒頭に上映されたTVシリーズのダイジェスト版映像について触れ「全く古くなっていないと感じた。当時のロボットアニメーションにおいて、自分たちがトップランナーである、誰かの真似ではないオリジナルなんだというスタッフの強烈なエネルギーが画面にのりうつっている」と前作を振り返った。そして今作を「4月スタートの新番組の中でも郡を抜いてクオリティの高いものになるだろうという確信があります」とアピール。また、竹田は作品における重要要素として「ミステリアスであること」、様々なことにチャレンジする姿勢として「勇猛果敢であること」、作品自体が受け手に噛み付いてくる「獰猛さがあること」、この3つを挙げている。

京田知己監督のコメント

何かが起こって目覚めるほど社会に疎いわけではないし、それにコミットしてこなかった訳でもない。何かが起こる前から物事は動いていたし、作り上げてもきた訳で、残念ながら何かが起こって劇的に心境が変化した訳ではない。

ただ言えるのは何かが起こったことで、それが加速した可能性を否定出来ないことであって、それを単純な心境の変化としてしか読み取ってもらえなくても構わないのだけれども、何かやろうと思っていたことに対して「より真剣に」なったのは確かである。より真剣に「伝えたい」と思うようになったのは確かである。

いったい何を?

それはフィルムを見てもらった上で判断してもらう他にないのだけれども、今、この段階で言うとするなら、それはこれから僕らは「アニメ」を作ろうとしているのだ、ということである。

様々な世代、様々な階層、様々な人々の手によって作り出されるアニメ。 それが示唆するものが、僕らが作ろうとしているものの根源であると、僕は確信する。 それが示唆するものが、僕らが作りつづけてきたものの根源であると、僕は確信する。

何かが起こって変わったのかもしれない、しかし変わるつもりはない。 僕らは今、そんなものを作っている。

エウレカセブンAO 監督:京田知己

メディアミックス展開

前作同様、『エウレカセブンAO』においても幅広いメディアミックス展開が行われる予定。少年エースの『エウレカセブンAO』、ニュータイプエースの『エウレカセブンAO~Save A Prayer~』ではコミカライズ、バンダイナムコゲームスからはゲーム、バンダイからはフィギュアなどの立体化、3月からは劇場版のリバイバル上映会、そのほか映像メディア、イベント、音楽など様々なプロジェクトが進行しているとのこと。また、4月1日(日)に幕張メッセで開催される「アニメコンテンツエキスポ2012」では、ステージイベントを行うことも発表。イベントには本城雄太郎、宮本佳那子、大橋彩香、井上和彦が出演する。また、昨日より公式サイトもリニューアルオープンし、発表会で上映された90秒のPVも公開されている。

『エウレカセブンAO』ストーリー

沖縄の離島・磐戸島で老医師・トシオと共に島で暮らしていた少年"アオ"は中学校の入学式を目前に控えていた。そこへ突如現れた謎の存在"シークレット"は、島に出現した"スカブコーラル"を狙い容赦のない攻撃をしかけてくる。巨大なモンスターを前に為す術もない島民たちは、混乱に陥り逃げ惑うことしか出来なかった。 "アオ"は、島を守りたい一心で、偶然手にした鍵を使い日本軍の輸送艦に積まれていた軍用FPを起動させる。それはかつて"ニルヴァーシュ"と呼ばれた人型IFOだった……!

次項では、今回の発表内容の総まとめを――続きを読む

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