Pentadactylは、Firefoxをキーボードだけで操作することを目的に作成されたFirefoxのアドオンで、実に多くのコマンドを備えている。Pentadactylの公式Webサイトには、概ねテキストエディターの「Vim」に触発されているとも記されている。

日常的に利用するブラウザをキーボードだけで操作できるとなると、その効果は大きい。慣れてくると、当然こちらの方がスピーディーに扱えるのだ。Pentadactylには、入力補助機能もあり、一文字のタイプでそれに続くコマンドをサジェストしてくれる。コマンドを覚えるのが苦手という方も比較的容易に使いこなせるだろう。上級者用にはスクリプトによるカスタマイズや、正規表現による検索なども用意されている。英語ではあるが、使い方をさらに深めるためにも十分なヘルプが用意されている。

PentadactylはMozilla addonのWebサイトからダウンロードできる。

コマンドラインモードとノーマルモード

Pentadactylには大きく分けると、コマンドラインモードとノーマルモードの二つのモードが存在する。ノーマルモードは、画面の変化は見られず、割り当てられたキーを単純にタイプすることでいくつかの動作を実現する。コマンドラインモードでは、ブラウザの下に現れる領域にコマンドを入力して操作する。画面上で[:]を入力すると、コマンドラインモードに入る。ここからノーマルモードに戻るには[Esc]キーを押す。この二つがPentadactylを扱う上でもっとも重要な概念になる。

コマンドラインモード時に何かアルファベットを一文字だけ入力してみる。ここでは、[o]を入力する。すると、図1のように続けられる命令が入力補助として機能する(図1)。[Tab]を押すことで、この命令を選択することもできるし、それを見ながらそのままコマンドを続けることもできる。操作を覚えるためにも、一例としてまずはヘルプメニューで操作を覚えてみるとよいだろう。ヘルプメニューは、[:]を入力したあとに、[help]を入力し(図2)、そのままスペースキーを続けると、コマンドごとの詳細な一覧が出てくる。この操作は、すべてに共通する。

図1ブラウザ上で[:]を入力するとコマンドラインモードへ突入

図2 [o]を入力するとoからはじまるコマンドだけに。[Tab]でこれらを選択できる。スペースを打つと、さらにその後に続けられるコマンドが並ぶ