アドビ システムズが2011年11月より提供を開始したタッチスクリーン用アプリ「Adobe Touch Apps」。本アプリは「Adobe Photoshop Touch」、「Adobe Collage」、「Adobe Debut」、「Adobe Ideas」、「Adobe Kuler」、「Adobe Proto」という6種類のAndroidアプリで構成されている(iPad対応版も今後リリース予定)。今回はこれら6つのアプリの中から、 手軽にカラーテーマを作成できるアプリ「Adobe Kuler」(850円)をピックアップし、その魅力や実際の使い勝手などについて紹介していこう。

無数の色合いをデザインに反映

「Adobe Kuler」は、2008年に立ち上げられた同社のオンラインカラーコミュニティサービス「Kuler」と完全に連携するよう設計されており、デザインプロジェクトのインスピレーションとなるカラーテーマの作成、保存、検索、ダウンロード、共有などを、場所を問わずあらゆるシチュエーションで実現してくれるアプリだ。

同社が展開する同名のWebサービス「kuler」をさらに拡張するモバイルアプリ「Adobe Kuler」。必要システム構成は、OSがAndroid 3.1以上、画面サイズが8.9インチ以上、画面解像度が1,280x800以上、カメラ搭載(推奨)など

アプリを起動したら、ホーム画面から新たなカラーテーマの追加を行おう。カラーテーマ作成ツールでは、テーマを構成する5つのカラーごとに用意されたカラースライダー、大型のカラーホイールなどをタッチ操作するだけで、自由自在に無数のカラーバリエーションを作り出せる。もちろん、新規カラーテーマだけでなく、既存のテーマを選択して変更することも可能だ。

カラーホイール内の好きな部分をタップして、各々のカラーをダイレクトに指定できる。本画面では、カラーモード(HSV/RGB/CMYK/LAB)、色彩理論に基づいたカラールールなども選べる

さらに、「Adobe Kuler」では、画像をベースとしてカラーテーマを作成することもできる。ホーム画面の下側に用意されたイメージ追加アイコンから、タブレットに搭載されたカメラで撮影された写真など、カラーテーマの基となるイメージを指定するだけで、自動的にカラーテーマが生成される。気に入らないカラーがある場合は、イメージ上に表示されているポイントを移動すれば良い。また、画面右上のアイコンから「カラームード」を指定すると、カラーテーマ全体の雰囲気を手軽に切替えることができ、とても重宝する。

気に入ったデザインやイラストを「Adobe Kuler」に読み込めば、その作品のテイストをそのままカラーテーマとして反映できる。作成したカラーテーマは、テーマごとにタイトルやタグの追加にも対応する

なお、「Adobe Kuler」のカラーテーマは、WEBサービスを通じて、他のAdobe Kulerメンバーと共有でき、評価やコメントなどの閲覧が行える。さらに、タブレットから、Adobe Creative Cloudにエクスポートすることで、デスクトップ版のPhotoshopやIllustrator、イラストレーションアプリ「Adobe Ideas」などのカラースウォッチとしても、そのままインポートが可能だ。

他のAdobe Touch Appsと比較すると一見地味に見えがちな「Adobe Kuler」だが、カラーコーディネートのセンスに自信がないユーザーでも、希望するデザイン対して有効なインスピレーションに素早く辿り着くことができるのは、非常に大きなメリットといえるだろう。