【レポート】

ボーイング787が革新的な12の理由(後編)

2 日本人向けの設備も導入

      [2012/01/31]

    その10 機内スペースが大幅に拡大

    787の機内が広く感じる理由は、窓が大きくなった以外にもある。まず入口付近の天井を高く曲線的にして開放感を出している。また、キャビンは同規模機の767型機よりもエコノミークラス1席分ほど広く設計されている。さらに、天井が高いのも広々とした印象を与えている理由だ。

    ちなみに、照明には発光ダイオード(LED)を採用し、シーンに応じて全14種類のライティングができる。睡眠をとるなどリラックスする際に、ライティングが人に少なからぬ影響を及ぼすことは実証済み。その点でも、より快適さを高めるフライトが実現できるようになった。

    天井は高いが頭上の荷物スペースは外側が急カーブを描き、CAの手が届きやすいように工夫されている。しかも荷物スペース1つあたり機内持込み可能な最大のキャリーバックが4コと小さめのバックが1コ入る。これは大型機にも負けない収納力だ

    その11 コクピットをスタイリッシュに大改善

    なかなか見ることできないが、コクピットも大幅に改良されている。まず全体の色遣いがグレーやシルバー、ブラックの3色が基本になりスタイリッシュな印象だ。また、大型の液晶画面を設置し、離発着時にパイロットが計器を見るために視線を下げる必要がないようヘッドアップディスプレイ(政治家やビジネスマンがプレゼンテ―ションで使う透明アクリルに文字や図形を写し出すディスプレイと同じしくみ)を採用するなど、より操縦に負荷の少ないコクピットを実現した。ちなみに、パイロット用の酸素マスクは従来西洋人の顔の骨格に合わせて作られていたが、あらゆる人種にフィットする仕様になっている。

    「コクピットの改善により安全運航へ集中できるようになった」とANAのキャプテンは語っている

    その12 アジア人や日本人向けの設備

    ANAのラバトリーには一部を除き窓がある。またトイレの水は指定の場所に手をかざすだけで流れる

    787はANAと共に開発された旅客機である。そのため、日本人やアジア人にも使いやすい仕様となった。操縦席の窓のワイパーは当初の設計では付ける予定がなく、降水量や黄砂、虫などの多いアジアの運航状況を理解して設置されたもの。また、トイレにはウォシュレットを装備。これはもちろん日本人向けに設置されているもので日系航空会社では標準装備になりそうだ。

    いかがだろうか。これらの革新的な機能を実感しながら乗ると、フライトもより楽しくなるはずだ。


    取材協力: ANA
    参考文献: 「ボーイング787はいかにつくられたか」(青木謙知著・ソフトバンククリエイティブ)
    「BOEING787 ドリームライナーのすべて」(イカロス出版)

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