「Let'snote」の新シリーズ「Let'snote SX1」

パナソニックは1月25日、同社のモバイルPC「Let'snote」シリーズ春モデルの新製品発表会を開催した。同社が「第4世代」とする「Let'snote SX1」と「Let'snote NX1」は、厚さ25.4mmと従来機にくらべて大幅にスリムになった。発表会では、この薄型化と新たに搭載されたスマートフォン連携機能について、デモを交えて紹介された。

「薄さ」を加えた第4世代Let'snote

「今日、Let'snoteは第4世代となり、新しい進化を遂げました」とパナソニック AVCネットワークス社 ITプロダクツビジネスユニット長 原田秀昭氏は話す。

Let'snoteは誕生から15年周年を迎える。「軽量・長時間」にこだわった第1世代、そこに耐100kg級ボディを採用し「頑丈」という要素を加えた第2世代、さらにハイスペックなCPUを搭載し、「高性能」を実現した第3世代と進化してきた。

パナソニック AVCネットワークス社 ITプロダクツビジネスユニット長 原田秀昭氏

「お客様からのたくさんの要望を聞いて商品開発に取り組んできた結果」と原田氏。そしてこのたびの第4世代の開発においても「いろんなお客様から今後のLet'snoteをどうしたらいいかを聞いてきた」という。

顧客の要望としては、「もっと薄くしてほしい」「用途に応じてバッテリーの駆動時間や重量を選びたい」「スマートフォンと連携させて仕事の効率化を図りたい」といったものが挙がった。そこで、「第4世代」Let'snoteとして新たにラインナップに追加された「SX1シリーズ」と「NX1シリーズ」では、これまでの「軽量」「長時間」「頑丈」「高性能」という強みに加えて、薄型のボディとスマートフォン連携という要素が加わることになった。

「Let'snote」の新シリーズの進化

寄せられる顧客からの要望

「第4世代」Let'snoteのコンセプトは「クリエイティブモバイル」

25.4mm、すなわち「1インチ」という数字にこだわった

「SX1シリーズ」「NX1シリーズ」では、新筐体を採用。本体の最大専有面積部の厚さは、従来の「Sシリーズ」での36.6mmから25.4mmへと11.2mmのスリム化を実現した。「開発時から25.4mm、1インチという数字にこだわりました」(会場内の説明員)という。

パナソニック AVCネットワーク社 ITプロダクツビジネスユニット テクノロジーセンター レッツノート総括 参事の坂田厚志氏

しかしただ単に薄くなったというだけではない。「薄くなってもLet'snoteのDNAである頑丈さはきっちりと継承していく」とパナソニック AVCネットワーク社 ITプロダクツビジネスユニット テクノロジーセンター レッツノート総括 参事の坂田厚志氏は話す。

その姿勢のあらわれのひとつといえるのが、これまで通りの堅牢性を維持しながら取り組むことになったボンネット(天板部)の薄型化だ。従来は肉厚が均一のボンネットの高さによって強度を確保していたが、新しいボンネットではボンネットの凹凸を減らし、荷重がかかりやすい個所に補強を行うという工法を採用している。

「肉厚が違うものの成型は非常に難しかったが、今回はそれをやりきったということが1つの大きな成果」と坂田氏は自信を見せる。

圧力に強いボディは健在で、人が乗った後も問題なく動作している

また、従来は構造が複雑なために樹脂で成型していたボディ側の筐体についてもドライブ部を新たに設計し直したほか、ストレージやバッテリといった部品のレイアウトを最適化。構造がシンプルになったため、薄肉マグネシウムよる成型が可能となり、薄型化と強度の維持につながっている。

さらに、従来の新開発の羽根形状の48mm角・厚み10mmの放熱ファンを採用することで、薄型を実現しつつ風量がアップ。加えて受熱板に小型冷却フィンを多数設置することで放熱面積を拡大、これにより薄型のボディに標準電圧版CPUを搭載することが可能となった。

ボンネット部で2.7mm、ボディ部で8.5mmの厚み削減は、こうした工夫の積み重ねで実現されたという。

新しいボンネット。天板の凹凸がLet'snoteのイメージという人は驚くだろう

部品のレイアウトを見直しシンプルな構造となった新筐体

新開発された放熱ファン。羽根の数が従来の19枚から37枚に増えて風量がアップした

スマートフォンとの連携も強化

「SX1シリーズ」「NX1シリーズ」で新たに加わった機能としてスマートフォンとの連携がある。Let'snoteとスマートフォンがアドホックに通信してファイルのコピーを行い、Let'snote側で作業したファイルをスマートフォンで参照したり、スタンバイ状態のPCにスマートフォンからログインして、メールやファイルが参照できるようになる。この機能については、実際にスマートフォンからPCにログインして操作するデモが披露された。

会場では実際にデモが行われスマートフォンからPCにログインをしてファイルを参照した

また、「SXシリーズ」「NXシリーズ」では、2つあるUSB 3.0のポートのうち1つが1,500mAの給電に対応。さらにPCの電源がオフの状態でも充電が可能となる。電源が確保できない環境でもPCのバッテリーがあれば急速充電が行える。

ACアダプタとバッテリを使い分ける提案

「SX1シリーズ」のスタンダードモデルと「NX1シリーズ」では、新たに2種類のACアダプターとバッテリーが付属。従来と比べ待機電力を90%削減したACアダプターと質量と容積がほぼ半分で、PCの電源がオフ時のみ充電を行うミニACアダプターが用意される。また、それぞれ容量が違う2つのバッテリーと組み合わせて、利用シーンに合わせて使い分けることができる。

そのほか、起動時間約9秒と従来よりも約1,7倍高速化し、かばんから取り出してすぐに使えるようにするなど、よりモバイルPCとしての機能を高めたという。

"Let'snoteのUltrabook版"には意外と前向き!?

最近ノートPCで「薄型化」といえばやはり話はUltrabookのことになる。この点はやはり気になる記者が少なくなかったようで、質疑応答では「パナソニックとしてUltrabookについてはどう考えているのか」という質問も出た。これに対し、原田氏は「パナソニック全社的には、デバイス技術に関する事業も行っているので、Ultrabookについては全面的にサポートしていきたい」としながらも、Let'snoteに関しては「一生懸命考えているところ」と言い、「Let'snoteのUltrabook版などこの場でいえることはないが、ぜひご期待していただきたい」とLet'snoteのUltrabook版に含みを持たせた。

品川駅でキャンペーンを実施

パナソニックは1月25日から27日まで、都内でLet'snoteの新シリーズを実際に体感できる「レッツノートタッチ&トライ【2012春】」を実施している。時間は12時から20時まで。現在行われているのは、JR品川駅改札内。

「SX1」「NX1」含め2012年春モデルが展示されている。今回はTwitterと連動のキャンペーンも実施しており、会場では「#letsnote_now」のハッシュタグがついたつぶやきがディスプレイに表示されていた。

品川駅中央改札内での展示会場。ビジネスマンを中心に立ち寄る人が多かった。会場に設置されたディスプレイではletsnoteに関するつぶやきがリアルタイムで表示される

このタッチ&トライは、2月以降も新宿や秋葉原、名古屋や大阪で開催する予定だ。