先般開催された「2012 International CES」で、ソニーは自発光ディスプレイ「Crystal LED Display」や、Google TV対応のメディアプレイヤーなど数多くの新製品を発表した。本稿では、それら既報の製品に加え、同社がブースで実機を展示していた注目のアイテムをご紹介しよう。

CESのソニーブース

Android OS 3.xベースの「Google TV」

今回発表された「Google TV」は、昨年秋にアップデートされた最新バージョンのOSを搭載しているのが特徴。"Honeycomb"のコードネームで呼ばれるAndroid OS 3.xをベースとしており、ユーザーインタフェースがよりモダンなスタイルに刷新されたほか、機能面ではAndroidマーケットからのアプリの追加に対応したことが最大の進化となる(既存機種にもアップデート提供済み)。2010年に発売された初代Google TV対応製品では、液晶テレビ自体にGoogle TVプラットフォームを内蔵した一体型モデルが用意されていたが、新製品はネットワークメディアプレーヤーの「NSZ-GS7」と、ブルーレイディスクプレーヤーの「NSZ-GP9」で、いずれも外付け型となっている。

Google TV対応ネットワークメディアプレーヤーの「NSZ-GS7」(下)と、ブルーレイディスクプレーヤーの「NSZ-GP9」

映画のタイトルなどを入力すると、オンライン動画サービスのコンテンツ、放送予定番組表、レコーダー内の録画番組などを横断的に検索する

また、付属のリモコンには、PCのマウスポインタを動かすように画面を操作できるタッチパッドのほか、ゲーム機のコントローラーのように手の動きに反応するモーションセンサーも搭載。さらに、Androidの機能のひとつである音声認識入力にも対応し、番組表やインターネット上のコンテンツを簡単に検索できる。

Android携帯でおなじみの音声入力にも対応。リモコンに話しかけるだけでキーワード検索が行える

両製品は北米および欧州市場で今年夏に発売される予定だが、現時点で日本市場への投入予定はアナウンスされていない。

4K×2K関連製品を今年は家庭用にも本格展開

映像関連技術の参考出展としては、自発光ディスプレイのほかにも裸眼3Dディスプレイの最新の開発状況を展示した。46型と24型の2モデルが出展されたが、46型はフルHDの4倍(縦横各2倍)の解像度となる4K×2Kパネルを採用しており、左右像を同時に表示する必要のある裸眼3D表示状態でもフルHDコンテンツをそのままの解像度で楽しめる。

46型(左)と24型の裸眼3Dディスプレイ。46型は4K×2Kで、裸眼3D表示時にもフルHDのクオリティを実現

また、今年はテレビメーカー各社とも、コンシューマー向け製品への4K×2K技術の本格展開を開始する。ソニーも昨年末に4Kホームシアタープロジェクターを発売したが、CESではこれに対応するアップスケール機能を搭載したBDプレーヤーや、昨年発売した8K CMOSセンサー搭載の映像制作用カメラなども展示し、制作現場から家庭の視聴環境までエンドtoエンドで4K×2K環境を提供できる総合力をアピールした。

家庭用製品としてはいち早く4Kに対応したプロジェクター

8K CMOSセンサーを搭載したシネマカメラ

自発光ディスプレイ「Crystal LED Display」(左)のデモ。写真では色の再現性をお伝えするのは難しいが、液晶の上位機よりさらに反応速度が速く残像が少なくなっている

液晶テレビ「ブラビア」のハイエンドモデル「HX850」シリーズに搭載されるX-Reality PROエンジンのデモ。ネット上の動画など解像度の低いコンテンツでも従来より高い精細感を得られる