16世紀に黄金の国・ジパングを目指してやってきたポルトガル船が入港して以来、外国との貿易の拠点として栄えた平戸。歴史の面影を残す町並みは、必見の観光スポットが満載だ。今秋には、史実に忠実に復元された「オランダ商館」がオープンし、話題を呼んでいる。

400年前にタイムスリップ!「オランダ商館」が現代によみがえる。

平戸市は平戸島とその周辺を擁する長崎県最西端都市。平戸島は九州本土とは橋でつながり、周辺には無数の島が連なる。平戸は遣唐使船の寄港地として古くから海外との交流後として栄え、南蛮貿易の主要な舞台としても知られる。そんな歴史の街・平戸で2011年9月、「オランダ商館」がオープンした。江戸時代のオランダ商館を復元した同館はオープン後わずか3週間弱で入場者1万人を記録。平戸の新しい観光スポットとして注目を集めている。

オランダ商館は1609年、東インド会社が設立した商館で、日本とオランダの貿易の拠点として重要な役割を果たしてきたが、1640年、キリスト教の禁教令によってオランダ商館に西暦表示が記載してあるという理由から破壊されてしまう。その後、長い間歴史からその姿を消してしまったが、1987年より発掘調査が進められ、その全貌が明らかに。再び脚光を浴び始めた2011年、元あった場所にほぼ昔のままの姿を再現する形で「オランダ商館」が復元オープンした。

「オランダ商館」外観と内観

気になるオランダ商館の全貌

では、さっそく話題のオランダ商館の中へ。館内の天井や柱なども史実に基づいて400年前の状態を復元しているという。荷物を移動させるための太いロープが釣る下げられた倉庫の天井の梁など、当時の建築技術を知る上でも興味深い。館内では、商館時代に使われていた世界地図や地球儀、徳川家康の朱印状など貴重な展示品を公開。常設展示の他、企画展も開催されるので、何度足を運んでも楽しめそうだ。展示物もさることながら、一番のおすすめは、その外観の美しさ。夕暮れ時に真っ白な外壁が平戸の美しい夜景に浮かび上がる姿は時間を忘れて歴史に思いをはせてうっとりしてしまう。