【レポート】

NEC、PC遠隔操作ソフト「Luiリモートスクリーン」Android版の説明会を開催

    大塚洋介  [2011/12/21]

    Luiリモートスクリーン for Android

    NECパーソナルコンピュータは20日、同社が提供するPC遠隔操作ソフト「Luiリモートスクリーン」のAndroid版が10月に発表されたことを受け、同アプリについての説明会を開催した。

    リモート操作の利用意向は67%が「ある」

    「Luiリモートスクリーン」は2010年7月から同社のPCで提供されており、10月31日にAndroid版の提供が開始された。販売はAndroidマーケット経由で、通常価格は2,625円。2012年1月31日まではキャンペーン価格の525円で購入できるほか、14日限定で全機能を利用できる無料の体験版も用意されている。

    今回提供が開始された「Luiリモートスクリーン for Android」は、Androidスマートフォンから自宅PCのデータ・アプリにアクセスし、スマートフォンのタッチ操作でWindows 7の操作を行えるというもの。接続設定も簡単だ。

    「Luiリモートスクリーン for Android」の概要

    同社がこのソリューションをAndroidスマートフォンに拡大した背景には、現在クラウドサービスなどによって実現されつつある、複数の端末から同じサービス・データを利用できる環境において、セキュリティ面やデータ容量・コストの問題など、不安・不便さを感じているユーザーも少なくないということがある。同社では、ローカルデータ/アプリを利用できるLuiのソリューションにより、それを補完することを目指している。

    実際にVALUESTAR/LaVieの購入者を対象としたWebアンケートによれば、リモート操作の利用者は7%にとどまるものの、利用の意向があるとの回答が60%あり、潜在的な利用層は少なくないとのこと。その際に利用する端末としてはスマートフォン所有者の68%がスマートフォンを利用したいと回答しているそうで、今回のAndroid版はそのニーズを満たすものとなる。

    クラウド経由で多様な端末からひとつのデータにアクセする仕組みができてきたが、そこに不安・不便さを感じるユーザーも少なくない

    利用者と利用意向者を加えると全体の2/3。スマートフォン利用者へのアンケートなので当然ともいえるが、使いたい端末の種類はスマートフォンが圧倒的

    対応の端末でのみ購入が可能

    「Luiリモートスクリーン for Android」は先述のとおりAndroidマーケットからの提供となる。購入すると、子機(スマートフォン)用のアプリに加え、親機となるPC用ソフトのダウンローダーが提供されるので、このダウンローダーを使って親機PCにLuiのソフトをインストール。その後の接続設定は、ウィザードに従って認証番号などを入力するだけと簡単だ。登録には、子機となるスマートフォンで利用しているgmailのパスワードが必要となる。

    なお、このアプリダウンロードできるのは同社で動作確認がされている機種のみ。動作確認済みの機種は20日現在でスマートフォン17機種/タブレット6機種となっており、それ以外の機種ではダウンロードが不可となる。親機となるPCはWindows 7がプリインストールされたVALUESTAR/LaVieの各シリーズだが、一部対象外となるモデルもある。このあたりについては、同社がWebサイトで最新情報を公開している。

    導入までのステップ

    子機側はスマートフォン17機種/タブレット6機種が対応

    画面転送方式の採用で動画もスムーズに表示

    Luiの技術的な特徴としては、TeamViewerやPocketCloudといった他の遠隔操作ソフトで使われているコマンド転送方式の画面描画ではなく、親機の表示画面をキャプチャ・エンコードして転送する画面転送方式を採用していることが挙げられる。この画面転送方式では、テキストなどの表示の際でも一定の速度を必要とするものの、動きがある画面を比較的小さな帯域で転送できるのが特徴。Luiでは動画視聴なども想定しているため、動きのある画面を滑らかに表示することができる画面転送方式を採用している。

    リモート操作のひとつのキーポイントである画面描画については、テキスト利用時のデータ転送量が少なくてすむコマンド転送方式ではなく、動きのある画面も滑らかに表示できる画面転送方式を採用

    画面転送方式を採用するにあたっては、キャプチャデータの圧縮・転送時に工夫を行っているという。その具体的な方策としては、NEC独自のコーデックによる短時間の処理、モーションベクター検出処理によるデータ両の圧縮などを挙げた。このモーションベクター検出処理は、ウィンドウを移動した際などにはそのウィンドウを含めた画面全体の情報を転送するのではなく、画面内で移動したという情報だけを転送することによってそのぶんデータサイズを小さくするというものだ。

    また、フリックやピンチイン/ピンチアウトの操作による表示領域の移動・変更に対しては、あらかじめ子機側での表示領域の外側にあたる部分のデータもあらかじめバッファリングしておくことで、素早い応答を実現しているとのことだった。

    画面転送方式を採用したことによるデメリットを抑えるため、さまざまな工夫を行っている

    Luiリモートスクリーン for Androidのこだわり

    技術的な面だけでなく、機能・インタフェースについても「Luiリモートスクリーン」にはさまざまな工夫がなされている。

    操作については、画面が小さいスマートフォンでWindows 7の操作を行うということで、画面上に表示される仮想のタッチマウスや、画面右端・下端をフリックすることによるスクロールといったアシスト手段を用意。また、ピンチイン/ピンチアウトによる拡大/縮小、フリックによる表示領域の移動といったスマートフォンライクな操作も可能にしている。

    スマートフォンでWindowsの操作を行うため、さまざまなアシスト方法を用意した。右の写真で画面右端に表示されているのが仮想の"タッチマウス"だ

    キーボードは、Androidが標準で提供するキーボードのほかに、WindowsキーやAltキーといったPC操作に必須のキーもそなえた専用キーボード、ユーザーによる登録が可能なショートカットキーやカーソルキーといった使用頻度の高いキーをまとめた拡張キーボードなどが用意される。メニューからはアプリの呼び出しやログオフ/スリープ/シャットダウンの操作が可能だ。

    キーボードはAndroidの標準キーボードに加え2種類を用意

    Windowsキーなどを含む専用キーボードを表示した状態

    こちらはよく使うキーだけをまとめた拡張キーボード

    メニューで「アプリリスト」をタップすると、あらかじめ登録しておいたアプリをすばやく起動できる

    もうひとつ、他の遠隔操作ソフトにはない特徴として強調されていたのが、本アプリではリモートパワーオンに対応しているという点。これにはNECアクセステクニカの「AtermWR9500N」「同WR8600N」「同WR8160N」に搭載されている「ホームIPロケーション」と「Wake on LAN」の機能を利用する必要があるが、設定自体は簡単だという。

    リモートパワーオン対応により、外出先から「Lui」経由でPCの電源を入れ、データやソフトにアクセスすることができる

    まとめ――スマホ対応による利便性向上は間違いない

    これまでの「Luiリモートスクリーン」はPCからのリモート操作ということで、屋外などからの利用はそれほど強調されてこなかった。Luiについて説明を受ける機会においても、「家庭内のノートPCからメディアサーバーとなるデスクトップPCにアクセス」といった使い方が訴求されていたように記憶している。

    もちろんそういったニーズも少なくはないだろうが、それ以上に「外出先から自宅PCを利用したい」と考える人は多いだろう。そういった潜在的なリモート操作のユーザーにとって、今回登場したのAndroid版「Lui」は、十分使えるツールとなりそう。動作確認機種が広がり、より多くのユーザーが利用できるようになることを期待したい。

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