アドビ システムズから、コンシューマー向け映像編集ソフトウェア「Adobe Premiere Elements 10 日本語版」が発売された。Premiere Elementsは、同社Premiere Pro CS5.5から継承した最新かつ高度な編集機能とシンプルな操作性を兼ね備えており、初めてムービーを作成するユーザーでも、高品質な作品作りを簡単に楽しむことができるソフトウェアとなっている。

今回は、そんなPremiere Elements 10の数々の新機能の中から、さらに便利になったスライドショー機能やカラー補正機能などを中心にチェックしてみた。

2011年10月に発売された「Premiere Elements 10 日本語版」。対応OSは、Windows XP(SP2)/Vista/7(64bit版含む)、MacOS X 10.5.8~10.7

効果的な演出が可能な「スライドショー機能」と「カラー補正機能」

Premiere Elements 10では、ムービーファイルの編集にとどまらず、デジタルカメラやスキャナなどから読み込んだ各種イメージファイルを並べるだけで、簡単に映像を構築できるようになった。単なるスライドショーでなく、ストーリーに合わせてパンやズームの動きを調整し、動きのあるプロのような作品を作り出せるのだ。しかも、操作は動きの始点となるフレームから終点となるフレームまでを次々にクリックして指定するだけと至ってシンプル。なお、本機能には、自動的に人の顔を認識してパンやズームを行う機能も備わっているので、さらに効果的な演出が手軽に実現する。

画面下部にある「パンとズームツール」をクリックして、「パンとズームビデオの作成」画面を表示する。1枚の写真からでも、感動やインパクトもったムービーを仕上げられるようになっている

また、ハイクオリティーな映像作品を制作する際に欠かすことのできないカラー補正についても、新たに2種類のツールが追加されている。1つ目は、簡単な操作のみで一瞬にして映像を色鮮やかなものにしてくれる「自動トーン補正と自然な彩度」機能。本ツールの特長は、ムービー全体を通して画像をより美しいカラーへと自動補正を行いつつも、肌の色味を損なわず自然なカラーに保てることだ。2つ目は、シーンの中から任意の部分だけを選択し、高品位なカラーを再現可能な「3ウェイカラー補正」機能。部分ごとの明るさの度合いを確認し、他に影響を及ぼすことなく適切に調整を行えるようになっており、編集ボタンをクリックすると個別にパラメータをコントロールできる。

画面右上の編集タブから「自動トーン補正と自然な彩度」を選択し、カラー補正したい動画にドラッグ&ドロップすればOK。また「3ウェイカラー補正」では、ハイライト、シャドー、ミッドトーンを個別に調整可能だ

SNSとの連携機能も

Premiere Elements 10で制作した作品は、そのままムービーファイルとして保存できるのはもちろん、HD品質の映像をBlu-rayディスクまたは標準的なDVDディスクに書きだしたり、FacebookやYouTubeといった人気の共有サービスへ素早く公開することも可能となっており、家族、友人をはじめ世界中の人々と多彩な方法で、一緒にムービーを楽しめるようになっているのが嬉しい。

画面の右上にある「書き出し」タブから、DVDやBlu-ray、AVCHDが選択可能。また、「オンライン」を選択するとFacebookおよびYouTubeへビデオのアップロードのプリセットが用意されている

なお、Premiere Elements 10に同梱される「Adobe Elements 10 Organizer」を使ったファイル管理や検索、SNSサービスとの連携機能などについては、前回のレポートでお届けした「Adobe Photoshop Elements 10 日本語版」と、基本的に共通となっているので、そちらもぜひご参照いただきたい。