冬の秋田には魅力が詰まっている。体の芯から温まる温泉に、ハタハタをはじめとした魚貝料理、さらには厳しい寒さがゆえにピンと張り詰めた空気によって美しく見える景色。中でも、 この時期に行くならなまはげで有名な男鹿半島がオススメだ。日本海に突き出たこの半島はもともと島だったとされ、独自の文化が根付いている。

「なまはげ紫灯まつり」の様子

※男鹿半島へのアクセス
(飛行機の場合)秋田空港→リムジンバス(約40分)秋田駅→JR男鹿線(約1時間)→JR男鹿駅
(電車の場合)JR秋田駅→JR男鹿線(約1時間)→JR男鹿駅

「泣く子はいねぇが~」と言いながら、年越しの夜に民家をまわるなまはげ。本来は大晦日と毎年2月に開催されるなまはげ柴灯まつりでしか見ることができない。しかし、男鹿市にある「男鹿真山伝承館」では、年間を通じてなまはげ行事の再現イベントを行っている(12月~3月の間は要問い合わせ)。本番さながらの迫力に、きっとアナタも圧倒されてしまうことだろう。

男鹿真山伝承館でのなまはげ実演の様子。なまはげ発祥の地の1つとされる男鹿の真山地区では、なまはげは2匹1組となって家の中を荒々しく歩きまわった後、その家の主からもてなしを受ける

「なまはげ館」(写真左)では、なまはげに関する資料が数多く展示されている。男鹿地方の曲家(まがりや)民家を使った「男鹿真山伝承館」(右)では、なまはげの実演が行われる

なまはげによる太鼓パフォーマンス

絶壁からは日本海が望める

さらに、「男鹿温泉交流会館 五風」では、なまはげによる和太鼓演奏を定期的に実施。会場をなまはげが駆け回っての圧巻のパフォーマンスだ。同施設では地元の若者による和太鼓演奏も行われ、真剣な演奏姿にこちらまで緊張してくるほど。それぞれ夜間の公演となっており、温泉や食事を楽しんだ後、こちらに繰り出す観光客が多い。

ドライブをするなら、海岸沿いの絶景ラインははずせない。切り立った絶壁の向こうには荒々しい日本海が見え、ただただその絶景美に心を奪われる。海岸沿いには、秋田県魚であるハタハタを通年で展示している唯一の水族館「男鹿水族館GAO」、北緯40度線上に位置する景勝地・入道崎などの見所があり、男鹿半島南東にあるJR男鹿駅から南側の南磯地区、西海岸をぐるっとまわって北岸にある男鹿温泉郷で宿をとるコースがオススメだ。ちなみに、同コースの車での移動時間は1時間ほど。

写真左は「男鹿水族館GAO」のホッキョクグマ。上は夕刻の入道崎