【レビュー】

クリエイティブ集団「蝉 semi」がネットプリントの実力を徹底レビュー

クリエイティブチャンネルをご覧いただいている読者の中には、グラフィックやプロダクト、Webなどのデザインに携わる、いわゆるクリエイティブ職の方も多いだろう。そのような方なら印刷物を発注するシーンも少なからずあると思うのだが、読者の皆様はどのようなサービスを活用しているだろうか。

タイトなスケジュールの中で、大量の印刷物を作らないといけない……。そういった厳しい条件下でも頼りになる印刷サービスといえば、オンラインでデザインから入稿、校正、納品までワンストップで完結してしまうネットプリントが挙げられるだろう。今回は、近年注目が高まっているネットプリントの中から、印刷通販「アルプスPPS」のサービスをフライヤー編・年賀状編に分けてレビューしてゆきたい。

なお、本レビューでは、以前本誌でも取り上げたクリエイティブ集団「蝉 semi」にご協力をいただく。「デザインの寿命を長くする」をスローガンに掲げ、展示期間を終えたフラッグやテント等のリサイクル素材を、バッグやiPhone用ケースといったプロダクトに作り変える活動を行っている集団だ。

「蝉 semi」のメンバー。左から、鎌田慎也氏、鹿毛雄一郎氏、石川大輔氏

彼らのプロダクト「MacBook clutch case」

昨年に引き続き、彼らは国内最大級のデザインイベント「TOKYO DESIGNERS WEEK 2011(以下、TDW)」に出展するということで、今回は同イベント会場などで配布するフライヤー制作をしてもらうこととした。今回の出展にあたっては、さらに多彩になったプロダクトのラインナップ、そして目玉であるTDW2010の会場で使われていたフラッグ素材を使ったプロダクトを発信することを狙いとしているという。

デザインに込められたメッセージ

蝉 semiは今年、さまざまなトピックに恵まれた。産業廃棄物をリデザインしたプロダクト展「産廃サミット」や、今回の「TOKYO DESIGNERS WEEK 2011」への出展。また今年一番のトピックとして、蝉 semiとしても念願であったシンガポールにあるセレクトショップでの展開が、この取材の直前に決まった。2011年4月に本格的な事業としてスタートしてから、協力してくれるパートナー、そしてファンを着々と増やし、彼らのメッセージがより説得力を帯び始めている。

シンガポールにあるセレクトショップ「SUPERMAMA」での展開を開始

フライヤーのラフスケッチ

今回彼らには、アルプスPPSのテンプレートを使って、フライヤーのデザインを始めてもらった。テンプレートには裁ち落としの幅も含め、あらかじめサイズが明記された状態で用意されており、仕上がりのイメージを確かめながらデザインすることができる。ヴィジュアルやしたためるコピーを考えるにあたって「僕たちが発信していきたいメッセージがより明確になった」と、蝉 semi代表の石川大輔氏。そして、今回のフライヤーはこのようなデザインに決まった。

フライヤーのデザイン

ひと際目立つ、この赤いバッグは日の丸をイメージしたそう。蝉 semiはこれから海外展開していくにあたり、「Made in Japan」にこだわっている。そのこだわりを、背景のモノトーンとのコントラストで演出したのだ。また、この背景となっている港は、これからの新たな船出、未来への前進というポジティブなメッセージが込められている。

また、文章は"ですます調"を使うのではなく、あえて普段使いの言葉で言い切った。「デザインの寿命を長くする。」というメッセージは、TDW2011のテーマカラーであるピンクで映えさせる工夫も凝らした。これからも精力的に活動を続けていくにあたり、今回のフライヤーは蝉 semiにとって重要な意思表示でもあるのだ。

ネットプリントに期待するもの

彼らが印刷サービスに期待するのは、クオリティーとスピード、そして+αのサービスだという。プロダクト同様、紙や印刷物の質感にはこだわらなければならない。しかし、今回のような大量印刷が必要な場合には、スピードも求めたい。そして時間と人手が限られているので、折り込みなどの加工もサービスとしてあると助かるということだった。

今回利用したアルプス-PPSでは、デザインの段階においてはテンプレートが用意されているため、面倒な手直しも発生せず、また、本機校正や折り込みなどの加工もあることを知り、大変助かったという。

次回は、デザインデータの入稿作業~校正~仕上がりをレポートする。クオリティーにこだわるクリエイティブ職での使用に耐えうる仕上がりとなるのかを、厳しく検証したい。

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