アビッド テクノロジーは、2011年11月16日から3日間にわたり開催された国際放送機器展「Inter BEE 2011」に出展した。本レポートでは、会期中に行われた同社最新製品「Media Composer 6」および「Pro Tools 10」のプレス向けデモンストレーションの模様をお届けする。

Avid ブースでは、同社の提唱する「インテグレーテッド・メディア・エンタープライズ (IME) ソリューション」をテーマに、放送局、ポスト・プロダクション、ライブ・サウンドのための幅広い製品とソリューションが紹介された

ソフト・ハード両面で機能強化された「Media Composer 6」

「Media Composer 6」は、すでに業界の定番映像編集システムとしてプロフェッショナルユーザーからもお馴染みのソフトウェアである「Media Composer」の最新バージョン。ユーザー待望となる64ビット対応をはじめ、Smart Toolを使った高速な編集、パワフルな編集ツールセットを使った緻密なカッティング、3D映像編集へのより柔軟な対応などを実現。さらにAvid Open I/OおよびArtist Seriesコントローラーのサポートなど、ソフトウェアとハードウェアの両面からの機能強化が行われた。

「Media Composer 6」では、Avid Open I/Oへの対応により、 Avid製インターフェースのみならず、AJA、Blackmagic Design、Bluefish444、Matrox、MOTUといった他メーカーの製品もサポートする

好評のフィジカルコントローラー「Artist Series」により、編集、ミキシング、カラー・グレーディングなどのハンズオン操作が可能。オーディオ関連機能についても専用ソフトウェアクラスの高機能を実現されている

使い勝手が進化した「Pro Tools 10」

「Pro Tools 10」は、スタジオからライブステージまで、今やあらゆるシーンの音楽制作業務に欠かすことのできないレコーディングソリューションである「Pro Tools」の最新バージョン。32ビット浮動小数点ファイルフォーマットのサポートにより、さらに高音質・高解像度なサウンドを得られるようになった。また、ユーザーからの要望も多かったクリップ(リージョン)単位でのレベル調整が行える「クリップゲイン」、強力になった自動遅延補正(ADC)、AudioSuiteプラグインの複数同時起動のサポート、ディスクキャッシュ機能の追加、さらには業務用ミキシングコンソール「System 5」のEQとダイナミクスを再現した新プラグイン「Avid Channel Strip」なども搭載された。よりパワフルかつ使い勝手が良く進化したツール群が、効率的なワークフローを実現してくれる。

基本的ユーザーインターフェースはそのままに、MAなどの作業で有用な「クリップゲイン」機能などを追加。ディスクキャッシュ機能により、外付けのUSBドライブやネットワークストレージなど低速なメディアを利用した場合でも、スムースな録音/再生が行える

デモブースでは、同社プロダクション・アセット・マネージメント・システム「Avid Interplay」を中心に、シームレスに「Media Composer 6」と「Pro Tools 10」の編集データを連携。いずれのソフトウェアからもトランスポートなどのコントロールが可能となっていた