現代日本ではまずもって実現不可能に近いそんなお嬢様気分をお手軽に味わえるのが、「執事喫茶」と呼ばれるコンセプトカフェだ。

今年8月、コンセプトカフェの聖地とも言える秋葉原に、執事喫茶「Refleurir(ルフルリール)」がオープンした。意外にも秋葉原にはこれまで正統派の執事喫茶がなかったため、同店が"秋葉原初の執事喫茶"となる。

6階のメインラウンジ

7階フロアはラグジュアリーな雰囲気

今回は、そんなルフルリールの体験レポートをお届けしよう。……なお、筆者は男である。男ではあるが、男だってたまにはお屋敷で「おぼっちゃま」と呼ばれてみたいものなのだ。ということでさっそく秋葉原へと向かうことにした。

ルフルリールは秋葉原駅電気街口から出て中央通りを直進。ドンキホーテの手前の交差点を左折し、神田明神下交差点まで歩いた角に位置している。だいたい徒歩6~10分くらいだろうか。ルフルリールはビルの6階・7階に入っており、お客さんはまず7階で受付をしてからどちらかの階を選ぶことになる。

今回は6階のメインラウンジを選択した。こちらはテーブル席が並ぶ落ち着いた雰囲気のフロアで、お茶やデザートの他、食事を楽しむことができる。逆に7階はラグジュアリーな雰囲気で、しっかりと食事をとるというよりはお茶やデザートを楽しむためのフロアとなっている。1つのコンセプトカフェの中に2つの異なる雰囲気のフロアが用意されているというのは、ちょっと珍しいかもしれない。

イケメンフットマンのサービスにうっとり

席まで案内され、椅子を引かれて腰を下ろすと、すかさずイケメンフットマンが流れるような動作でナプキンをかけてくれた。続いてナイフとフォークがサッと用意され、水がグラスに注がれる。なんという軽やかな動きだろう。何だかすごく偉くなった気分だ。さらに「山田井おぼっちゃま」と呼ばれることで、「おぼっちゃま」気分がどんどん盛り上がってくる。そう、ルフルリールでは自分の呼び方を決めることができるのだ。女性なら名前の後ろに「お嬢様」、男性なら「おぼっちゃま」か「旦那様」である。呼ばれたい名前を考えてからお店に足を運ぶとスムーズだろう。

ファースト・フットマンの野川さん

よく見るとナイフやフォークの持ち手部分には「Refleurir」の刻印が。オーダーメイドらしい

さて、先ほど「フットマン」という単語が出てきたが、フットマンとは使用人のことであり、フットマンをとりまとめるのがバトラー(執事)となる。ルフルリールではフットマンにも「ファースト・フットマン」と通常の「フットマン」というランクがあり、かなり細かいところまでこだわっているようだ。なお、執事はフロアに1名のみ。燕尾服を着ているので誰が執事かはすぐにわかるはず。せっかく行くなら執事やフットマンとの会話は思う存分楽しみたい。秋葉原という土地柄か、オタク話にも問題なく付き合ってくれるそうだ。地味に嬉しい要素である。

テーブルの上に置かれたベルで執事&フットマンを呼ぶことができる

マロンの紅茶。ティーカップはイギリスの高級食器ブランド「ウェッジウッド」

ティーカップはロイヤルアルバートンや大倉陶園など、イギリスと日本の高級ブランドが揃っている

何だかゴージャスな気分に浸ったところで、食べ物と飲み物を注文してみた。さすがといおうか、お茶の種類はかなり豊富で、その数何と56種類! また紅茶のみならず、緑茶も用意しているというから隙がない。

……もっとも筆者は紅茶といえばアールグレイしか飲んだことがないので味がさっぱりわからず、結局フットマンや執事の方々に色々とアドバイスしていただいた結果、マロンの紅茶とノンカフェインのプレジールをいただくことにした。どちらも非常に香りがよく、濃厚だが渋みはない上品な味わい。特にマロンはこの季節ならではのメニューということもありオススメだ。なお紅茶を出された際に執事に猫舌かどうかを確認され、さりげなく温度調節までしてくれた。さすがの仕事ぶりである。