試しにAndroid端末をUSBストレージとして扱ってみた

以前の記事でも紹介したが、アーク情報システムの「BOOT革命/USB」シリーズは、USB外付けHDD(ハードディスクドライブ)など任意のUSBストレージに、Windows OSをコピーするためのソフトウェアである。最新版となる「BOOT革命/USB Ver.5」では、従来のデバイス制限を廃し、USB外付けHDDやUSBメモリーなどに代表される各種USBストレージからの起動を実現した。

そもそもUSBはデバイスの機能によってデバイスクラスというグループ分けがなされており、USBストレージと称するデバイスは、USBマスストレージデバイスクラスに属し、USBメモリーを筆頭にデジタルオーディオプレーヤーやデジタルスチルカメラなど、そのジャンルは多岐にわたる。

一般的にUSBストレージと称する場合、USBコネクター経由で接続した記憶メディアを指し、前述のUSBメモリーやUSB-HDD、コンパクトフラッシュやSDメモリーカード、メモリースティックなどが含まれる。つまり、USB接続型デバイスであれば、類は問わないはずなのだ。となると、SDメモリーカード(具体的にはmicroSDカード)を記憶領域として用いているAndroid端末も含まれるのではないだろうか。

注意:本稿では、Android端末にWindowsのインストールを実験的に行っていますがソフトウェアの利用は使用者の責任で行ってください。

そこで「BOOT革命/USB Ver.5」を使用し、Android端末(のmicroSDカード)にWindows OSを実験的に導入してみることにした。まずはストレージケースとなるAndroid端末の選定だが、今回は編集部から数世代前のAndroid LYNX 3Dを借用している。同デバイスの仕様書を確認すると認識する最大容量は32GB(ギガバイト)なので、今回は32GBのmicroSDカードカードを用意し、同デバイスに接続した(図01~02)。

図01 Android端末に32GBのmicroSDカードを接続。実際の認識容量は29.91GBだ

図02 ストレージデバイスとして使用するため、USB接続モードを「カードリーダーモード」に変更する

次に確認するのはmicroSDカードに導入するWindows OSの選定だ。例えばWindows XP Professionalは最低でも2.1GB。Windows 7は16GB(32ビット版の場合)といずれも32GB未満であるため、どちらを選択することもできる。だが、まもなくサポートが完全終了するWindows XPを選択するメリットは少ないだろう。そこで今回は32ビット版Windows 7を選ぶことにした。

「BOOT革命/USB Ver.5」を導入したWindows 7にAndroid端末を接続すると、大半のデバイスドライバーは自動認識されるが、Android Composite ADB Interfaceというデバイスドライバーを取得できていない。ADBはAndroid Debug Bridgeの略でデバイス・エミュレーターの列挙やファイルの転送などに用いられるものだが、これは単に借用したAndroid端末のUSBデバックモードが有効になっていたためである(図03)。

図03 大半のデバイスドライバーはWindows Update経由で導入できたが、Android Composite ADB Interfaceのみデバイスドライバーを導入できなかった

Android端末をUSBストレージとして使用する場合は必要ないが、Android LYNX 3Dはシャープのサポートサイトで配布されているADB用USBデバイスドライバーを用いることで、同デバイスを正しく認識させることが可能だ。あとはAndroid端末側でうながされるUSBストレージモードの設定を有効にすれば準備完了だ。