米国サンフランシスコ市で開催されたBlackBerryの開発者向けのイベント「BlackBerry DevCon」で、Research In Motion社の副社長であるAlan Brenner氏に話しを聞く機会を得た。10月18日(現地時間)に発表した次世代OS「BlackBerry BBX」がエンタープライズ分野に与える影響について同氏に聞いた。

RIM副社長のAlan Brenner氏

BBXのエンタープライズ分野へのインパクトは?

―― まずは、ご担当分野をお聞かせ願えますか?

私の担当は、End to Endのサービスで、Blackberry Messengerやソーシャルネットワーク用のアプリケーション、エンタープライズサービスなど、サービスのほとんどを見ています。

―― エンタープライズサービスもご担当とのことですが、今回のDevCon 2011では、次世代のOSとなるBBXが発表されました。これによるエンタープライズサービスへのインパクトや影響には、どのようなものがあるのでしょうか?

まず、最初にお話しておくべきなのは、我々は、ユーザーの資産を大切なものと考えている企業だということです。なので、BBXが登場しても、現在企業内で運用しているシステムはそのまま利用できます。

BBXは、インターネットサービスやエンタープライズサービスを再定義するものではなく、BlackBerry端末の上で動作し、アプリケーション開発の可能性を広げ、さらに新しい機能を取り込むためのものです。

端末側には新しい機能が搭載され、たとえば、BlackBerry Balanceのように、プライベートとエンタープライズへのアクセスを切り離すことが可能な機能はあります。ですが、エンタープライズ側のシステムは、BBXの端末でも従来の端末と同じように利用できます。

―― BBXでは、ネイティブやHTML5によるアプリケーション開発が可能ですが、企業内アプリケーションや配布方法などは変わっていくのでしょうか?

現在、BlackBerryにアプリケーションをインストールするための方法には、3つの方法「AppWorld経由」「Webブラウザからのダウンロード」「プッシュ機能による自動ダウンロード」があります。企業向けでは、BESサーバーからの自動ダウンロードやWebブラウザからのダウンロードを使うことになります。これについては、BBXが登場しても同じです。

BBXでは、従来のJavaアプリケーションも利用できるし、さらにHTML5やネイティブコードのアプリケーションも開発できます。HTML5については、従来のBlackBerry Widgets(HTMLとJavaScriptによるアプリケーション)の延長上にあり、ネイティブアプリケーションは、高いリアルタイム性や高速処理が必要なアプリケーションに対応します。このため、BBXについてだけいえば、アプリケーション開発の可能性は広がります。

RIM社製アプリケーションについて

―― 御社は以前より、TwitterやFacebookなどに御社自身がアプリを提供しています。AppleがiPhone 4SでTwitterに対応して、システム側の機能としてTwitterへの投稿などをサポートしました。たしかに、現在は、システム機能としてSNSに対応することが行われていますが、これは逆に、デベロッパーの開発機会を奪ってしまっていることにはなりませんか?

良い質問です。たしかに、プラットフォームを提供するメーカーがアプリケーションを提供することは、開発者の可能性の一部を閉じてしまうことになるでしょう。しかし、多数のユーザーのいるFacebookなどは、重要なアプリケーションであり、ユーザーも高度にシステムに統合された機能を欲しているという側面もあるでしょう。システムに組み込むことで、写真見ているときに、そこから直接、SNSでの共有を行うことができるようになりますが、逆にサードパーティアプリケーションでは、他のすべてのアプリケーションに対して、「共有」の機能を提供することは困難で、トリッキーなものになってしまうでしょう。

また、BlackBerryでは、FacebookやTwitterのメッセージを、メールボックスで他のメールなどと同時に見ることができます。プラットフォームメーカーが提供するアプリケーションだからこそこうした機能が提供できるのです。

当社は、すでにWindows Live Messengerなども、同様にメールボックスでメッセージを見ることができるようにしており、重要なサービスについては、統合されたメールボックスでメッセージを見ることができるようにしています。そのため、FacebookやTwitterなどは、当社からアプリケーションを提供しています。ただし、その選択はきわめて慎重に行っており、多くのユーザーにメリットがあると判断した場合にのみ開発を行っています。