印刷通販で入稿する際にトラブルになりやすい項目をピックアップしてご紹介する連載第四回。第一回第二回第三回に引き続き、印刷通販サイト「アルプスPPS」の担当者のアドバイスを交えつつ、印刷通販で入稿する際にトラブルになりやすい項目をピックアップして紹介していく。

PDF/X-4がイマイチ分からない

PDF/X-4は「RGB、CMYKの混在OK、透明効果は分割せずに保持」とPDF/X-1aに対して許可される範囲が広いことが特徴。Adobe CS3以降でも直接書き出しが可能なので、作ること自体はそれほど難しくはない。ただし、PDF/X-4の機能を活かして製版処理を行うためには印刷・製版側が「Adobe PDF Print Engine」を採用したワークフローRIPを導入していることが条件となる。

このAdobe PDF Print EngineはこれまでのPostScript RIPとは異なり、PDFファイルをPostScriptファイルに変換せず直接処理できるので、透明効果が出力の手前で分割されることがなく、また高速な処理が可能だ。

「アルプスPPSでは弊社向けの設定としてPDF/X-4のプリセットを配布しています。これを使って頂ければ、アルプスPPSでの印刷は安心です。また、生データで入稿された場合も弊社内でPDF/X-4に変換し、透明効果などは分割せずに処理していますのでお客様のイメージ通りの印刷結果をお届けします」とのこと。

PDF/Xの書き出しプリセットは印刷通販のサイトによって異なるのでオールマイティに使えるわけではないが、入稿前に一度チェックすることをお勧めする。

色校も出さずに納品されるのが心配……でも予算不足で色校が出せない!

アルプスPPSでは「入稿されたデータを検証し、RIP処理したデータをPDFに変換し、発注者のマイページにアップロードして校正できる」サービスが無料。いわゆるWeb校正だが、印刷のトラブルを減らすと同時に安心して注文できる効果も高い。

マイページで発注した印刷物の進行状況がわかりやすく把握できる

校正も画面上ででき、連絡がある場合は「お知らせ」が表示される

逆に、「そんな面倒な手間は省いて納品時間を優先させたい」という場合は「Web校正しない」という選択もOK。とはいえ、せっかく無料で用意されているサービス。デジタルの世界ではどんなに完璧なデータを作ったつもりでも予期せぬことが起きうるため、積極的に利用しよう。