アメリカ・ロサンゼルスに生まれ、「人と出会うことが大好き」と話す八木早希さん。一時帰国したものの、小学4年生から6年生まで今度は韓国での生活を体験。

毎日放送アナウンサーとして10年所属し、現在はフリーとして活躍中。英語はもちろん韓国語も堪能なトリリンガルの八木さんに、語学を勉強するコツや魅力についてお伺いしました。

言葉だけでなく、Lifeとして英語に触れる

-幼い頃から、いろいろな言語に接する機会が多かったんですよね。

八木:私、実はアメリカ生まれなんです。アメリカでは、地元の公立の学校に通っていたので、生活の大半は、英語を使用して暮らしていました。

そこから今度は日本に帰ってきて、日本の公立の小学校に通いました。日本の学校では、帰国子女の友達もいないし、英語を全く話す機会もなかったので、その時、英語脳はストップしていました。

それでその後、韓国で3年間暮らすことになり、また地元の学校に通っていたので、今度は韓国語ばかりで過ごすことになったんです(笑)。

-その後、シアトルに留学されるんですよね?

八木:はい。3年後に韓国から帰国し、高校2年のときに1人でシアトルに留学をしました。意識的に日本語を話さない環境を作りました。ルームメイトもアメリカの友人の女の子だったので、日本語で話すことが、まったくなくなりました。

辛かったこともたくさんあったのですが、将来英語を使って仕事がしたいと強く望んでいましたし、親を2年間説得してやっと行かせてもらった留学だったので、無駄にしてはいけないと頑張りました。シアトルでの経験がなければ今の自分はなかったと思います。

-帰国子女だから英語が勉強しやすい面も大きかったのでしょうか。

八木:小さいときに覚えたものは、たぶん発音ぐらいですね。その器に中身を入れていく作業を高校のときの留学で行ったというイメージです。勉強については、学生時代からかなりの量をこなしてきたと思います。

アナウンサーになってからは、語学的な基礎知識というよりは、実践的な会話を学ぶことが増えてきました。例えば、タイガーウッズや、最近、「NEWS ZERO」でジョン・ウー監督、リュック・ベッソン監督にインタビューする機会がありました。

でも、自分がそのインタビューを完璧にできるかというと、ちょっと自信がないわけです。だから、本番を迎える1週間前は、受験勉強みたいにその人に関する英語を、とりあえず全部覚えていきました。

-相手の背景を英語で覚えていくのは大変ではないですか?

八木:そうですね。バックグラウンドまで全部覚えるのは難しいですが、外国の方にインタビューするときに心掛けているのは、日本人の人格を消すことです。

例えば、インタビューするときって、

「私は、『NEWS ZERO』の八木早希と申します。本日は、お忙しいなか……」というような、前置きがあるじゃないですか。その前置き部分は英語では必要ありません。具体的には「Hi, John!」みたいに登場するんです(笑)。

第一印象が大事で、最初に雰囲気に負けてしまうと、その後もおどおどしてしまうので、思考自体を日本語から離すということがコミュニケーションをとる上で大切ですね。あとは、折れないハートです(笑)。

-英語で言葉の選び方は、どのように注意されるのですか?

八木:取材時に大切なのは「丁寧に接したか」ではなく、「本当に自信を持って話したか」なんですね。

例えば、取材対象者が「この相手なら自分の話を理解してくれるな」と感じるのは、丁寧な人ではなく、対等に分かってくれる人だったりします。その信頼感を勝ち取らないと、たぶん面白い内容は引き出せないですよね。

コメントが欲しいときなどは、例えば、タイガーウッズだと、「Good luck.」と声を掛けると、微笑だけで返される可能性があるので、「Wish your luck.」と思いやりが伝わるような言い方をしてみる。

すると「Oh, thank you.」と返してくれます。どういう言い方だと、どういう言葉が返ってくるかを常に想像しながら会話を弾ませていきます。

-他に注意されていることはありますか?

八木:そうですね。私は、ペンは持たない主義というか、なんでも音で聞いて、口に出して覚えるタイプなので、リズムを大切にしています。語学を勉強と捉えてしまうと、先が見えないというか、一生懸命やるしかなくなってしまいます。

ですので、外国の映画やドラマを見て、女優の台詞を真似たり、仕草を真似たり、いつもやっていますよ(笑)。特にテンションや仕草などは、いきなりではなかなかできないですからね。

-覚えておくと便利な英語ってありますでしょうか?

八木:はい、いっぱいあります。例えば、英語で会話しているときに、英語で言いたいのだけれど、言えないときの間を埋めるときに、日本語で「えー」とか言いがちなのですが、それを「uhm」と言うと、英語脳になれる気がしますし、先方にも「英語の言葉を探しているんだ」と伝わります。

あと、嘘でもいいから「Yes.」というところを「uh-huh↑」、NOを「uh-uh↓」と言うと英語ができる感が出ます(笑)

ほかにも、日本では曖昧な表現が好まれますが、英語で「理解した」は、「I think so.」ではなく、「I got it.」。もし、理解していないのであれば、理解していないことを伝えなければいけません。

-単語については、たくさん覚えた方がよいのですか?

八木:もちろん、知っていることは良いことだと思いますが、自分のプライオリティで覚えていった方が実際に使えます。ですので、私はニュースや毎日の生活の中で単語を覚えていくようにしています。

実際に英語を話すのには、数量的には多くは必要ないかもしれません。だから、単語ばかりを必死で覚えるよりは、今覚えている単語をどう組み合わせて言葉が成り立つかを考えた方が実践的です。

いつ使うかわからない単語は忘れてしまうので、普段から使える言葉を増やしていく方が良いと思います。身の丈に合ったというか、身の回りの言葉を覚えていくほうが活用しやすいですよ。

例えば、私の場合、ニュースを通じて、原発に関してとか、被災地に関連した言葉なども覚えました。そういう意味では、NHKニュースの副音声はオススメです。

よくCNNなどの海外ニュースを聞いて勉強するという話があるのですが、海外より日本のニュースを英語で聞く方が、日常で使える頻度が高いですね。