エプソンのインクジェット複合機「EP-804A」は、同社が「まよったらコレ!」と推薦する中心的なモデルだ。無線LAN対応のインクジェット複合機としてどんなことができるのか、ユーザーの求めている機能が搭載されているのかなど、全体を見渡しながらチェックしてみたい。

ブラックモデルのほか、ホワイトモデルの「EP-804AW」(写真左)、レッドモデルの「EP-804AR」(写真右)をラインナップ。複合機やプリンタで「赤」は新鮮だ

■主な仕様 [インク] 6色独立インク(染料C/M/Y/BK/LC/LM) [印刷解像度] 最高5,760×1,440dpi [スキャン光学解像度] 2,400×4,800dpi [イメージセンサー] CIS [最大用紙サイズ] A4 [給紙] 前面カセット(上下2段トレイ、普通紙最大120枚、ハガキ最大50枚) [自動両面印刷] オプション [CD/DVD/BDレーベル印刷] 対応 [液晶モニタ] 2.5型カラー [インタフェース] IEEE802.11b/g/n対応無線LAN、10BASE-T/100BASE-TX対応有線LAN、USB 2.0、IrDA、メモリカードスロット [本体サイズ/重量] W445×D386×H150mm/約9.1kg [店頭予想価格] 30,000円前後

薄型でフラット。圧迫感が少ないボディ

ボディは全体的にフラットな作りだ。正面には2.5型のカラー液晶モニタとタッチ式の操作ボタン類が並ぶ。この部分は上90度までチルトでき、見やすい位置に調整しておける。

使用時のボディ

本体の下部には、2種類の用紙をセットできる給紙カセットがある。対応する用紙サイズはA4~A6、L版、2L版、KG、ハイビジョン、六切。封筒は1号~4号(長形は3号と4号)だ。ハガキは往復ハガキも使用できる。給紙カセットの容量は、下段が普通紙で最大120枚、上段はハガキで最大20枚(下段は最大50枚)だ。自動両面印刷ユニットはオプションとなっている。

用紙カセットは上下の2段構造で、2種類の用紙を同時にセット可能。給紙方法を書いたシールが貼られているのは親切だ

排紙トレイは手動で引き出す

標準でCD/DVDの印刷専用トレイを装備。プリンタブルのCD/DVD/BDメディアに印刷する機会が多いユーザーにはありがたい

給紙カセットのすぐ上には排紙トレイ、さらにその上にはCD/DVD/BDトレイが収納されている。CD/DVD/BDレーベル印刷時、操作パネルのCD/DVDボタンに触れると、CD/DVD/BDトレイがフロントローディングでせり出してくる。ここにCD/DVD/BDメディアをセットして印刷する仕組み。CD/DVD/BDレーベル印刷をよく行う人にとっては、CD/DVD/BDトレイが別パーツになっている製品よりも扱いやすいだろう。

右側にはメモリカードスロットが並び、対応メディアはCFカード/マイクロドライブ/メモリースティック/メモリースティックPRO/SDメモリーカード(SDHC/SDXC対応)/MMC/xD-Pictureカードだ。USBメモリも使えるほか、赤外線通信機能も備える。

メモリカードスロットのとなりには赤外線インタフェースがあり、携帯電話で撮影した画像を赤外線通信で印刷できる

背面左にはUSBポートと有線LANインタフェース(無線LANとは排他使用)

インクの装着は内部の右側。インク構成は、全色染料のシアン/マゼンタ/イエロー/ブラック/ライトシアン/ライトマゼンタの6色だ

ビギナーを助ける「いたれり、つくせり」な機能

ボタン類はタッチセンサー。基本は十字ボタンでメニューを操作して「OK」ボタンで決定。ホーム、CD/DVDトレイ、ズーム/表示切り替えボタンが独立している

2011年秋冬モデルのカラリオシリーズは「いたれり、つくせり」をアピールしているが、それを実現している機能の1つが「カンタンLEDナビ」だ。ユーザーが行う操作に応じてボタンの表示が変化するインタフェースで、余計なボタンは表示されないので操作に迷わなくてすむ。

さらに操作性を向上させる工夫として、「先読みガイド」がある。例えばメモリカードを挿入したときなど、メモリカードを使う機能だけがメニューに表示されるといった具合だ。ユーザーの行う行動を先読みしてメニューが変化したり、メッセージでアシストしてくれる。

「うっかり防止アラート」も面白い機能だ。印刷時の用紙設定と用紙カセットの用紙サイズが違う場合、メッセージを表示して印刷を中止する。用紙の単純なミスで印刷を失敗すると、時間的、精神的なダメージが大きい。さらに用紙とインクの無駄を減らす意味でも、なかなか有用な機能といえるだろう。

メモリカードを挿入すると、メモリカードを使って使用できるメニューだけが表示される

原稿台に原稿を載せたままだと警報が!! 慣れてくると煩わしく感じるため、通知を無効にするのもよいだろう。PCからスキャンを行うと、この機能は発動しない

また、コピーやスキャンが終わったあとで原稿台に原稿が残っていると、メッセージとアラームで通知する「原稿取り忘れ通知」もある。次にすべき行動を示してくれたり、つい忘れてしまいがちなことを教えてくれるのは、特にビギナーにとって優しい機能だ。

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