書籍『新しい単位』、『新しい新しい単位』のイラストや、JRAの広告ポスターイラスト、音楽イベント『RISING SUN ROCK FESTIVAL2005』のオフィシャルTシャツデザイン、ラジオ「オールナイトニッポンR」パーソナリティ、舞台『男子はだまってなさいよ!』シリーズへの出演など、イラスト制作をはじめ、多方面でマルチな才能を発揮するクリエイター 五月女ケイ子。そんな五月女が個展『五月女ケイ子開運展2011』を2011年10月21日より、原宿ラップネットシップにて開催する。3年11カ月振りとなる本個展に対する思いを聞いた。

五月女ケイ子
イラストレーター/コラムニスト/役者。2002年、書籍『新しい単位』シリーズのイラストで注目され、『毛髪川柳』シリーズや『淑女のエチケット』、古事記を大胆にギャグマンガ化した『レッツ!古事記』など、話題の書籍を世に送り出す。また、コントユニット『男子はだまってなさいよ!』や、シティボーイズの舞台に女優として出演している。2010年に女児はるを出産。出産後第一作は昔ばなしのパロディの絵本 「バカ昔ばなし」。個展『五月女ケイ子開運展2011』は自身3年11カ月振りの個展となる

――久々の個展開催ですね。今回の展示会のコンセプトを教えて下さい。

五月女ケイ子(以下、五月女)「今回は"開運展"というタイトルからも分かるように、個展に来た方が、元気になったり、のほほんとした気持ちになってもらえたらなと。"明日からも元気に生きていける"って思ってもらえるといいですね」

――なぜ開運をテーマに?

五月女「3月に東北地方太平洋沖地震があり、私自身、ちょっと気持ちが落ち込んでいたんです。そんなときに自分の絵を見て、"あれっ!? 意外と私の絵って元気がもらえるな"って自分で気付いて 笑。そこで、展覧会を開いて、来てくれた人たちが少しでも元気になってもらえたら嬉しいなと思ったんです。また、今回の展示会では、"写経"ならぬ"写バカ"という企画をやります。こういったものでくだらない気持ちになって、脱力してもらいたいなと。私は、絵を描くときにサービスの気持ちを忘れてはいけないといつも考えています。絵を見た人が楽しい気持ちになったり、心が動いてくれるような絵を描かなくてはダメなので。この展覧会がそういうものになればいいなと思っています」

――具体的には、どういった作品を?

五月女「マトリョーシカや、だるまといった縁起の良いものをモチーフに描いたり、販売しようと考えています。風水ポストカードも作ります。なので、作品総数はかなり多くなると思いますね」

――昨今、イラスト制作をデジタルで行うクリエイターの方も増えてきましたが、五月女さんはどのように作品を制作しているのですか。

五月女「私の場合は、ほぼ手書きの水彩画か、アクリル画ですね。ある程度完成した絵をパソコンに取り込んで、『Photoshop』上で着色したりすることもあるのですが、イラスト制作でパソコンを使う比率は極めて低いですね」

――パソコン上でイラストを描くことに対してはどういった印象をお持ちですか。

五月女「ツールや画材には特にこだわりはありません。なので、パソコンでイラストを制作することに関しても特に抵抗はありませんね。むしろ、そういったデジタルのなかでも自分の作品の"味"をどうやって出していけばいいんだろうとか、自分らしい絵が、こだわりなく、どこでも描ければいいなと思います。そういうスタンスを目指していますね」

――五月女さんの言う"自分らしい作品"を描くために、常に意識していることはありますか。

五月女「"こういう目を描けば良い"などの技術的な面もありますが、自分が楽しく描けていたり、気持ちを込めて描いた方が、自分らしい絵に近づいている気がしますね。あえて、気持ちを込めずに描いてみたりもしたんですが、そうするとピュッと出てくるものがない気がして。自分のとしては、作品を見たときにピュッとしたものが出てくるのが自分の絵なのかなと思っているので。感情を込めるということを心掛けています」

――ありがとうございました。

五月女ケイ子開運展2011


開催日時:2011年10月21日~11月3日12:00~20:00 (11月3日のみ12:00~18:00)
会場:原宿ラップネットシップ
入場:無料

インタビュー撮影:石井健