【レポート】
日本Androidの会からスピンアウトした「Android女子部」は、数あるスマートフォン関連コミュニティの中でも異彩を放つ存在だ。Androidそのものをテーマにしたものとしては、おそらく国内唯一の女性限定コミュニティになる。しかも、アプリケーションの企画者や開発者が数多く参加しており、企画の方向性や実装上の悩みなども相談し合える環境ができているという。
では、Android女子部は具体的にどのような活動を行っているのか。また、どのような経緯から発足に至ったのか。本誌は、その詳細を探るべく、Android女子部 部長の矢野りん氏、副部長のあんざいゆき氏に聞いたので、簡単にお伝えしよう。
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――Android女子部は、スマートフォンが普及する以前から活動する"老舗"コミュニティのような印象があります。しかも、女性限定という、当時としてはかなり異色な存在だったと思いますが、どのような経緯から発足されたのでしょうか。
あんざい : 日本Androidの会が半年に一度開催している「ABC(Android Bazaar and Conference)」というイベントがあるのですが、その第1回と第2回に参加したところ、女性がほとんどいなくて、少しさみしい思いをしたんです。そこで、当時一緒に参加していた矢野さんや他のテクノロジ系イベントで知り合った女性の方達と「女子部みたいなものを作って、女性を増やしたいね」という話になりました。
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矢野りん - Android女子部部長。フリーのWeb/アプリケーションデザイナーとして多方面で活躍する。Androidアプリケーションでは、日本語入力アプリ「Simeji」やソーシャルネットワーク連携型カメラアプリ「6x6.cm」などのデザインを担当する。ライターとしても活動しており、『ウェブデザインのつくり方、インターフェイスデザインの考え方。』(2011年、MdN刊)、『Webレイアウトの『解法』 Webデザイナーのための実践的セオリー50』など、著書多数。 |
矢野 : 2009年の12月でしたよね。
あんざい : 日本Androidの会のメーリングリストに、下部組織として女子部を設立させてもらえないかという相談メールを投稿しました。その後、矢野さんの家に集まって、「今後どうする? 」っていう話し合いをした時が、10人いるかいないかくらいでしたね。
矢野 : そうそう。うちのリビングはMAXで10人くらいしか入れないから、そんな規模だったと思います(笑)
あんざい : その後、2010年2月の日本Androidの会の定例会で、女子部のイベントを開催しました。当時は端末もHT-03Aしかなかったし、開発者も高度なアプリケーションを制作できる人は限られていたので、「カッコイイ端末出してよ! 」とか、「アプリの見た目イケてないじゃん! 」とか、そんな話が中心でした。
矢野 : 当時は自分たちで端末ケースを作ったりもしていたね。布で無理やり(笑)
――「女子部を作ったら、こんなことをやりたい」といった希望はあったんですか?
矢野 : いや、ホントに女性が少なかったので、純粋に気兼ねなく話し合える仲間がほしかったんです。
あんざい : そう、女性が少ないと、イベントに行ってもつまんないんですよ。
矢野 : 「女子部のようなものがあったほうが集まりやすいだろうから、作ってみよう」となっただけで、特にこういうことがやりたいというのはありませんでしたね。
――現在、女子部のメンバーは何名くらいですか?
あんざい : メーリングリストだと500人くらいかな。
矢野 : 首都圏に限らず、いろんなところにいます。
――参加者にはどういった方がいるでしょうか?
矢野 : いろいろです。デザイナーに開発者に……最近はアプリケーションの企画のお仕事をしている方も増えましたね。
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あんざいゆき - Android女子部副部長。uPhyca 代表取締役総長。Android、Webの分野を中心に活躍するエンジニア。図書館検索アプリ「Libraroid」や電子マネー読み取りアプリ「Suica Reader」「Edy Reader」「nanaco Reader」など、数多くのAndroidアプリケーションを開発している。Androidの技術解説書も執筆しており、著書には『Android Layout Cookbook アプリの価値を高める開発テクニック』(2011年、インプレスジャパン刊)、『Android2.3 Only Hacks ~Gingerbreadをさくさく使うためのサンプルとテクニック 』(2011年、日経BP社刊)、などがある。 |
あんざい : 開発や企画には関わらない、普通の主婦の"一般ユーザー"も参加していますよね。
矢野 : 多いのは、サンデープログラマ的な人ですね。なんというか、Androidの世界に入ってくるときの肩書きとして、「Android女子部」というのはちょうどいいんです。所属コミュニティがあればあちこちで協力が得られやすいですし、女性の初級開発者として、重すぎも、軽すぎもしない肩書きですし。
矢野 : 参加者はAndroid女子部のロゴ入り名刺を自由に作れるんですが、これも役立っているという意見が多いですね。例えば、開発系のイベントは、女性にとってなかなか馴染みづらいものなんですが、そこへAndroid女子部という名刺を渡すと、周りの人が「あぁー! 」ってなるようです。こうした部分が、参加者が増え続けている理由なのかな、と思っています。
――どんな活動をされているんですか?
あんざい : 現在も「これ」って決まったものはないですね。イベントがあるごとに活動している感じです。
矢野 : 一番多いのは勉強会ですね。プログラミングやUIデザインなどをテーマにして。タッチアンドトライのイベントなんかもやっています。
あんざい : 過去には、ABCで女子部の枠をもらって講演したり、デコ勉強会やったりしましたね。2010年には100人くらいの女性が集る大きい勉強会も開催しました。
矢野 : そのほかにも、雑誌の企画でアプリや端末のコメントを求められるなんてこともあります。
あんざい : あと、アプリのコンテストの審査員とかね。いろいろな企業や団体からお話しを持ちかけられるので、基本的には「こんな話があるんですけど、やりたい人いますか?」ってメーリングリストで聞いて、手を挙げた人にお任せしています。
――勉強会の内容はどうやって決めているんですか?
あんざい : 結構適当だよね(笑)
矢野 : うん、やりたい人がやりたい事をやる感じ(笑)
あんざい : 私たちがガチガチにハンドリングしているわけではないので、皆さん自由に活動しているんです。お茶会みたいなものも各地域で開かれているみたいです。
矢野 : おそらく、同じ趣味でつながっているという感覚が強いんだと思います。「IT好き、ガジェット好き」という女性が集まって話をできる場は貴重なんだと思います。
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