9月27日、Firefox 7と同時にThunderbird 7がリリースされた。本稿では、新機能の紹介とともに、Thunderbirdのcheck and sendアドオンを紹介したい。まずは、Thunderbird 7について紹介しよう。
旧バージョンからのアップデートの方法は、メニューの[ヘルプ]→[Thunderbirdについて]から[ダウンロードした更新を適用]をクリックするだけでよい。
新規にインストールする場合には、Thunderbird 7のダウンロードページから、ダウンロードしてほしい。セットアップは、画面に従うことで、特に難しいこともなく行えるだろう。
Thunderbird 7の新機能
さて、今回のバージョンアップで、搭載された新機能は次の通りである。
- 新しいMozilla Gecko 7エンジンを搭載
- ユーザインターフェイスの修正と改良
- 添付ファイル処理に関する修正
- 選択したメッセージの要約を印刷できる機能
- アドレス帳のバックエンドを改良
- いくつかのセキュリティ問題の修正
これ以外にも、パフォーマンスや安定性の改善が行われている。同時にリリースされたFirefox 7と比較すると、派手な変更点はあまり見当たらない。しかし、Gecko 7エンジンの搭載などのように、Firefoxで実装・開発されている技術を今後も取り込んでいくと思われる。唯一、機能的に目新しいのは、メッセージの要約を印刷する機能である。スレッド、もしくはCtrlキーで複数のメールを選択する。右下のプレビューペインには、それぞれのメッセージの要約(件名、差出人、本文の冒頭部分)が表示される(図4)。
この状態で、メニューの[印刷]を選択すると、表示されている要約が印刷される。メールの全文を印刷しなくてもすむ。
今回施されたセキュリティ対策
.新機能ではないが、セキュリティ問題の修正もまた、バージョンアップの重要な要素である。今回は、次の修正が行われた。
- OGGヘッダの読み込みにおける解放後使用の問題
- YARR正規表現ライブラリにおける潜在的に悪用可能なクラッシュ
- Enterキーの押下継続によるコードのインストール
- CRLFインジェクションによる複数Locationヘッダへの対策
- さまざまなメモリ安全性の問題
このうち、CRLFインジェクションを除く4つは「最高」レベルの修正となっている。Mozillaでは、6.0.3のリリースは予定されていない。すみやかに移行すべきであろう。メールソフトは、個人情報などのかたまりといっても過言ではない。自身の個人情報もそうであるが、アドレス帳などが流出した場合、多くの知人や取引先に迷惑をかけることになりかねない。アドレスセキュリティ対策は、十二分に対応しておきたいものである。