Parallels Desktop 7はメジャーバージョンアップということもあり、90を超える新機能と改良が施されている。なかでも注目は、7月下旬に公開されたOS X Lionのサポートだ。

Lionでは、画面全体の利用を前提とする「フルスクリーンモード」が追加され、プレビューやメールなど標準装備のものを中心にアプリケーションの対応が進められているが、Parallels Desktop 7もこれをサポート。フルスクリーンモード時には、ゲストOSのウィンドウが画面全体を占有し、Parallels DesktopおよびOS XのすべてのUIを隠せるようになった。

Windows XPのようにデスクトップ上部をあまり使用しないOSは、ふだんツールバーが隠れているフルスクリーンモードと相性がいい

フルスクリーンモードのサポートは、同じくLionで追加された「Mission Control」にも反映される。トラックパッド上を指3本でスワイプすれば、WindowsやLinuxなどのゲストOSがフルスクリーンアプリケーションとして動作する感覚に陥るはずだ。切り替えた先はあたかも独立して動作するOSの世界で、ショートカットキーでマウスの操作を開放するといった手間から解放される。

フルスクリーン表示しておけば、ゲストOSはあたかもOS XネイティブアプリケーションであるかのようにMisson Controlの画面に溶け込む

あたかもMacのデスクトップ上でWindowsアプリケーションが動作しているかのように見える「Coherenceモード」も、Lionにあわせて機能が見直された。Windowsアプリケーションを起動したときのウインドウの表示方法が、Lionスタイルのアニメーションに変化したほか、アプリケーションExpose(アプリケーションが使用しているウインドウを一覧するモード)でウインドウを一覧することも可能になった。LaunchPadにアイコンを登録しておけば、一層Mac/Windows間がシームレスなものになるだろう。

WindowsアプリケーションをLaunchPadに登録することも可能

アプリケーションExposeを利用すれば、Windowで開いているウインドウを一覧することも

Lionの新機能「再開」もサポートされている。開いている文書の内容やウインドウ位置など、アプリケーションの状態を自動保存し、前回終了したときそのままの状態から使い始めることができる機能だが、Parallels Desktop 7ではこれをサポートすることにより、サスペンドなど状態を保存する操作を意識することなく、いきなりタスクそのものを終了することが可能になった。次回起動すると、そこは即ゲストOSの世界だ。

Windows物理マシンからシステムを移行する作業も、「Parallels Transporter Agent」を利用すれば、パスコードを入力する程度で完了する