ナナオの「FlexScan EV2335W」(以下、EV2335W)は、LEDバックライトのIPSパネルを採用したフルHD対応の23型ワイド液晶ディスプレイ。画面の縦回転に対応したスタンドや省電力機能など、実用性を重視した機能設計がなされたユーティリティモデルだ。直販価格は39,800円で、コストパフォーマンスとともに完成度の高い製品に仕上がっている。

「FlexScan EV2335W」は、本体カラーとしてブラックとグレイブラック(ツートンカラー)を用意。今回はブラックモデルを試用した

■主な仕様 [画面サイズ] 23型ワイド [駆動方式] IPS方式 [画面タイプ] ノングレア(非光沢) [表示解像度] 最大1,920×1,080ドット [視野角] 水平/垂直178度度 [輝度] 250cd/平方メートル [コントラスト比] 1,000:1 [応答速度] 16ms(GTG 6ms) [映像入力インタフェース] DVI-D(HDCP対応)×1、DisplayPort×1、D-Sub×1 [本体サイズ/重量] W547×D245.5×H360~518mm/約6.7kg [直販価格] 39,800円

画面の縦回転も可能な「FlexStand 2」

外観から見ていくと、画面下部(ボタン類を配置している部分)に若干の曲線と斜面が使われている以外は、飾り気のないシンプルなデザインが好印象だ。

特徴の1つはスタンドの「FlexStand 2」で、上30度のチルト、左右172度のスウィーベル、165mmの昇降(高さ調節)、右回り90度の縦回転(ピボット)機能を備える。最近の液晶ディスプレイはチルトのみ可能な製品が多いが、やはり画面の位置を柔軟に調整できたほうが何かと使いやすい。特に画面の縦回転に対応しているので、Webブラウザをはじめとして、縦長の文書や写真の閲覧/編集に有利だ。EV2335Wを2台導入して、縦画面×2台のデュアルモニタで実質2,160×1,920ドットという広いデスクトップに拡張するのもアリだろう。

画面が一番下の状態

画面が一番上の状態

縦回転(ピボット)も可能

本体を横から見たところ

FlexStand 2のネック部分にはケーブルをまとめておくスペースがある

映像入力インタフェースは、DVI-D、DisplayPort、D-Subの3系統だ。このうちDVI-DとDisplayPortは、著作権保護機能のHDCPに対応している。純粋に個人用途で使う場合は、HDMI入力がないことに不安を感じるかもしれないが、最近はDisplayPort出力を備えたグラフィックスカードも増えてきた。自作PCのユーザーや、EV2335WをPC用途メインで利用する場合は、HDMI入力がなくてもそれほど問題にならないだろう。HDMI入力が必要なら、DisplayPortをHDMIに変換する市販のアダプタ/ケーブルを使う手もある。

背面のインタフェース

左側面のヘッドホン端子

内蔵のモノラルスピーカーは画面の下部

内蔵スピーカーは500mWのモノラルだが、ミニジャックのステレオ音声入力とヘッドホン端子を備える。個人使用の場合、外部スピーカーやサラウンドシステムをPCと直結するユーザーが多いと思うので、EV2335Wのサウンド面の仕様は特に気にならないだろう。

余談だが、主にビジネス使用では「単にPCの音を確認できればいい」というニーズが高いらしい。自分のデスクで外部スピーカーやヘッドホンを使うのは面倒なので、スピーカーを内蔵した液晶ディスプレイは重宝される。EV2335Wの内蔵スピーカーが500mWのモノラル仕様なのは、こうしたビジネス使用のニーズを考えた一面もありそうだ。