このデフレの時代、給料やボーナスが大幅に上がることはない。だけど結婚して子どもができた以上は、自分が受けたのと同程度の教育を子どもにも受けさせたい。そこでサラリーマンができることと言えば、頑張って働くことと、小遣いを節約すること。そこで今回は、「月2万円」の小遣いでやりくりしている経験をご紹介し、同じような状況にある方に、役立てていただきたい。

「昼ごはん代」の上限は「400円」

まず、節約できるのは、「昼ごはん代」だろう。私は昼ごはん代の上限を「400円」に設定している。働いているビルの中にある弁当が、最も安いのが390円。ただ、毎日弁当だと気分転換もできないので、15分ほど歩いたところにある、チェーン店のハンバーグセット(390円)を利用している。そのセットは味噌汁とキャベツも付いているから、栄養的には、全く問題ない。もちろん、牛丼チェーン店も強い味方だ。これも、牛丼と野菜と味噌汁がついて400円で食べることができる。

こうした生活を送っていると、500円玉を指す「ワインコイン」では、昼食代としてはやや高いという感覚が生まれてくる。「ワインコイン」を出しても、「100円」のおつりが返ってくる。そうでないと、「月2万円」では、やっていけない。後に述べるが、この「100円」こそ、厳しい生活を少しでも豊かにしてくれるための切り札なのだ。

休日を除いて、平日が約20日あるとすると、「400円×20日」で「8,000円」が昼食の予算となる。

次のターゲットは「飲み代」、1杯「300円」が上限

次に節約できるのは「飲み代」だろう。まずできるのは、飲み会の回数自体を減らすこと。別の会社にいたときに仲良くなった友達・後輩らと飲むのが月1回。同じ会社の同僚と飲むのは、月2回に設定している。そこで問題となってくるのが、居酒屋における飲み物や食べ物の単価。特に飲み物に関しては、「1杯300円」を上限としている。結婚もしているし、女性が気に入るようなおしゃれな店とかは、あまり関係なくなっていることもある。

これを実践すると、旧友との飲み会は、1回につき3,000円ぐらいですむ。今の会社の同僚と飲むのは大抵立ち飲みの店なので、1回1,500円ぐらいですむ。

これを月で計算すると、「3,000円×1回」+「1,500円×2回」で、6,000円になる。

楽しみは1回500円の「マッサージ」

これまでの予算を合計すると、昼食代が8,000円、飲み代は6,000円で、計14,000円となる。残りは6,000円だ。飲み会はもちろん楽しいことだが、人付き合いの要素もあり、完全に「リラックス」しているとはいえない部分もある。やはり、一人でも楽しめる「趣味」にもお金が必要だ。

その趣味のお金を、残りの6,000円から捻出する必要があるが、仕事に必要なノートやペンなどの文具代が約1,000円としてこれを除くと、趣味に充てられるお金は5,000円以下になる。私はわりと疲れやすい体質なので、「マッサージ」を趣味としている。よく行くマッサージ店は、30分1回500円で、毎週土曜に予約している。月4回土曜があるとすると、「500円×4回」で2,000円だ。マッサージをしてもらっている間に、マッサージ師の方といろいろ雑談をするのも楽しみの一つで、1週間の疲れが、体と心の両面からほぐされているのが感じられる。

昼食代のおつりを、趣味の読書に生かす

これで残りは3,000円となった。実はマッサージをした後に、もう一つの楽しみが待っている。中古書店で、1冊105円の本を買って、それをハンバーガー店のコーヒーを飲みながら読むというものだ。毎週土曜で「105円+140円」×4で約1,000円。この本を買うお金を捻出する上で、昼食代を「ワンコイン」の500円とせずに、400円としていることの意義が出てくる。

ついにこれで、2万円の小遣いは、2,000円までになった。この2,000円は、取材交通費などに使われることになる。

いかがだろうか。同じような状況にある方に、少しでも参考になっただろうか? もしかしたらこの時代、「月2万円」でも高いほうではないかとの指摘もあるかもしれない。私も、2人の子どもがもっと大きくなったら、飲み会の回数を、さらに減らさなければならない局面がくることを覚悟している。

大震災を教訓に、妻が私に「予備費」

実は、上記のような節約を私だけやっているわけではないことを知る場面があった。東日本大震災の時だ。震災の影響で鉄道・地下鉄が止まり、同僚と新宿まで歩いて、ある中華料理店に入ってテレビの報道に見入っている時だ。

同じ店でテレビを見ていた人が、「帰宅難民になっているサラリーマンで、キャッシュカードも持たされず、あまり小遣いも持っていない人も多いんじゃないか」と話していた。実は私も、その人が話したのと同じ状況で、キャッシュカードも持っておらず、所持金もわずかだった。恥ずかしながら、一緒に職場から歩いた同僚から1万円を借りて、新宿のカラオケボックスで1泊5,000円で一夜をすごすことができたのだった。

この経験を踏まえ、妻は私に、小遣いとは別に「1万円」の予備を預けてくれるようになった。あの震災を経験して、奥さんに同じような配慮をしてもらったサラリーマンも、多いのかもしれない。