2011年7月よりテレビ東京ほかにて放送開始となったTVアニメ『神様ドォルズ』。そのトークイベントとなる「神様ドォルズナイト!」の第2弾が、2011年8月23日に、東京・新宿のロフトプラスワンにて開催された。

「神様ドォルズナイト! Vol.2 ~みんなで7話までを振り返ろう!の会~」と銘打たれた今回は、TVアニメ『神様ドォルズ』の大きなポイントとなった第7話「追憶の肖像」を中心としたトークショーを展開。当日は2部構成となっており、第1部にはゲストとして、枸雅阿幾役の木村良平と日向勾司朗役の村瀬克輝が登場した。

(写真左より)司会を務めたメディアファクトリーの鶴岡氏、木村良平、村瀬克輝、加藤正純プロデューサー。舞台には案山子の玖吼理も

自らが演じる日向勾司朗になりきっての登場となった村瀬克輝は、ステージに向かう途中に客席を迂回するなど、勾司朗が操る案山子「宇輪砲」と同様の軌道の読めないフリーダムさを発揮し、客席を大いに沸かせる。

とりあえず乾杯から

まずは第7話までを演じた感想について、「阿幾は匡平が大好きで、正直、匡平以外はどうでもいい」という木村は、実際に演じる際も、匡平と匡平以外の人に接するときとの違いをかなり意識していると語る。一方、勾司朗について、「正直、おいしい役をやらせていただいている」という村瀬。イベント時と同様、勾司朗の格好で初めてのアフレコに参加した際は、「皆さん、ドン引きだった」と語り、原作者のやまむらはじめ氏にも初対面で「そんなに頑張らなくても」と言われたという……。

オーディションの際、最初は匡平役を受けたという木村だが、台本を読んで、どうしても阿幾役がやりたくなり、勝手にコミックスからセリフをピックアップし、オーディション用の音声データを録音して送ったというエピソードを披露。一方、オーディション用の音声データをどうやって録ればよいのかがわからず、わざわざスタジオを借りて挑んだという村瀬だが、スタジオにはなぜか岸誠二監督も足を運んだとのことで、「オーディションなのに監督がディレクションをしてもいいのか?」と思いつつの録音だったという。

なお、声優が本業ではない村瀬は、スケジュール的に厳しかったこともあって、最初はオーディションを受けるのを断ろうとしたが、原作を読んで気に入ったため、原作で勾司朗が桐生のために作るパスタが「ペペロンチーノ」ならパス、「カルボナーラ」ならムリをしてでも引き受けようと思ったという。「子どもに辛くてニンニクのきいたペペロンチーノを作るような男は嫌だと思った」(村瀬)というのがその理由。なお、これについては、岸監督が直々に、原作者のやまむら氏に電話をかけ、「カルボナーラ」であることを確認したというエピソードが明かされた。

印象に残ったセリフや9話から登場する日向まひるの話題などで盛り上がりつつ、注目の7話についても言及するキャスト陣。7話の阿幾については、「気持ち、若く作っている」という木村だが、「どうしても阿幾は若くし過ぎづらい」との苦労を述べた。

第1部後半でようやくサングラスを外す村瀬。第2部では(暑いので)革ジャンも脱ぐと宣言するが……

木村、村瀬によるキャスト陣のトークで盛り上がった第1部に続いては、ストーリーの鍵となった第7話を上映し、第2部に突入する。

第2部では、木村に代わって、シリーズ構成・脚本の上江洲誠氏がステージに登場。ここからはニコニコ生放送での配信も行われた。

第2部からは上江洲誠氏も合流。ニコ生での配信もあって、村瀬は第2部も革ジャンを着てのスタート……

第7話について、「原作を受け取ったときから大切にしようと思ったエピソード」という上江洲氏。実際、阿幾と匡平の過去を振り返るエピソードを第7話に据え、そこから逆算して、全体のシリーズ構成を行ったと語る。

「あのエピソードを30分でやるのは大変だった」という上江洲氏。「各々のシーンを語りすぎると、淡々とした感じにならず、バランスが悪くなるので、客観的な感じで、できるだけ淡々とした感じで作った」とのことだが、実際に出来上がった映像は、いい意味で想定した以上にウエットな感じになっていたとの感想を述べる。

詩緒と玖吼理のパペットで遊ぶ2人

シリーズ構成をするにあたり、「原作準拠を守りながら、TVシリーズとして成立させるために、みんなでパズルをやっていた」という上江洲氏に対して、「どれだけ苦労して、あの台本を紬上げていったかがわかるので、安易な気持ちではアドリブをいれられない」という村瀬。ちなみに、『神様ドォルズ』の現場で、一番アドリブを入れてくるのは、日々乃の父親である史場慎吾役の斧アツシ。「彼はリハの段階から、一言一句同じことは言わず、どんなに深刻なシーンでもすべてセクハラ用語を使ってくる(笑)」(村瀬)。

『神様ドォルズ』の背景は実際の風景が元になっているとのことで、元となる写真が紹介された

ここで、最終話のカッティング作業を終えた岸誠二監督がステージに登場。おそらく当日の出演はムリであろうといわれていただけに、その登場で会場は大きく沸き上がる。そして、注目の第7話について、「私たちがとやかく言うべきじゃないんですよ」と即答する岸監督。これには、ステージ上の出演者も、「ごめん、とやかく言ってた」(上江洲氏)、「ごめん、俺も出てないのに言ってた」(村瀬)。

作業を終えた岸監督が駆けつける

そして、ようやく革ジャンを脱ぐ村瀬

その後、『神様ドォルズ』のシナリオ会議の様子や詩緒と玖吼理のパペットで話題の「予告映像」が一挙に上映されたほか、Blu-ray/DVDの映像特典に関する投票企画についてのトークで盛り上がる会場。予告映像については、「本編に重い話が多いので、予告は軽くしたかった」という岸監督だが、詩緒役の福圓美里が早口で頑張れば頑張るだけ、「なんだ、できるじゃん」とセリフを増やしていくという……。

『神様ドォルズ』のシナリオ会議の様子

BD/DVDの特典映像を少しだけ紹介

気になる今後の展開については、「言えるわけないでしょう」と口をつぐんだ岸監督だったが、クライマックスに向けての盛り上がりは大いに期待できるところ。最終回となる第13話まで、残る話数はわずかとなっているが、今後の展開もしっかりとチェックしておきたい。

イベントの最後に行われたプレゼント抽選会の様子。なお、台本や色紙に描かれている絵は村瀬の手によるものだ

(C)2011 やまむらはじめ・小学館/案山子保存協会・テレビ東京