『折れるな! ~日本が教えてくれた武士の魂~』カバー写真

元K-1日本王者のニコラス・ペタス氏は20日、自著『折れるな! ~日本が教えてくれた武士の魂~』(毎日コミュニケーションズ)の出版記念セミナーに登場した。

『折れるな! ~日本が教えてくれた武士の魂~』は、ペタス氏が来日20年のなかで気づいた「日本人が気づかない日本のチカラ」を明らかにする一冊。18歳で大山倍達の内弟子となってから現在までの格闘家人生を振り返りながら、日本流の厳しさの中にある優しさや、拳を交えた対戦相手から教わったことなどを解説している。

セミナー前の控室で著書を手にするペタス氏

ペタス氏はセミナー会場に登場するなり「僕の話をする前に、空手を皆さんに少しでも理解して欲しいので、これから空手の練習をします」と宣言し、参加者に空手の構えを教え始めた。セミナー会場に参加者たちの控えめな気合と、ペタス氏の力強い声が響き渡る。ある女性の参加者は「声を出すのは恥ずかしかったけれど、気合を入れて拳を突き出すのは楽しかったです」と感想を述べた。

参加者に空手の基本の構えを教えるペタス氏

空手の練習がひと段落すると、ペタス氏のトークが始まる。ペタス氏が空手を始めるきっかけとなった14歳の時の出来事に始まり、日本に渡航するとなるために、高校を辞めて渡航費をねん出した話や、師・大山倍達との思い出が語られた。

特に極真空手の創設者である大山倍達総裁のくだりでは、初めて総裁にあったときに震えが止まらなかったり、総裁から食事会のたびに「あと5キロ太りなさい」と指令されたりした思い出を、ペタス氏は臨場感たっぷりの口調で物語っていった。

セミナーの中盤では、K-1のトップスター選手「ジェロム・レ・バンナ」との一戦や、選手生命の危機とも言われた足の骨折から復活した試合「キム・ヨンヒョン」戦のビデオ映像が流され、ペタス氏がそれぞれの試合から学んだことを、映像を見ながら解説した。

試合映像を使った講演に熱心に聞き入る参加者

セミナー全体を通して、ペタス氏の経験から導き出した「折れない心の作り方」を参加者は学ぶことができるイベントとなった。ある30代前半の男性は「テレビで見ていたニコラス・ペタスの有名なあの戦いの舞台裏を知ることができるだけでも面白かったのに、ペタスの軽妙な語り口で彼の葛藤と経験から得たものを学べたのはとても有意義でした」と、セミナー内容にご満悦の様子だった。

9月29日木曜日にも開催される同セミナーでは、ペタス氏と某シークレットゲストのトークセッションも行われる予定。第1回に参加した人もそうではない人も楽しめる企画となりそうだ。