――オリジナル曲として最初に収録されているのが、今回のメイン曲となる「Decoration」

榊原「去年のアルバムは、エロカッコいい感じで、男装をしたり、ヴァンパイアをやったりと、ダークな感じも入れつつ攻めてみたので、今年は可愛い感じ、甘々な感じでいってみようということで、ちょっと頑張ってみました(笑)。特にこの『Decoration』は、ケーキを題材に、私を食べて的な感じになっていまして(笑)、白と赤で、生クリームとイチゴをイメージしつつ、女の子の可愛らしさを表現し、そこにちょっとしたセクシーさや女の子ならではのカッコよさみたいなものをいろいろと欲張ってデコレーションしています。曲の方向性はギターバリバリのノリのいいものなのですが、詞の内容は甘々になっていまして、そのあたりのバランスで心地よいところを攻めてみました」

――「Decoration」の作詞はmilfyさんと榊原さんの連名になっていますが

榊原「私がちょっとバタバタしてしまったので、一応合作という形で、私の意見も入れつつの、作詞をしてもらった感じです。まずベース部分を作っていただいて、何度かすり合わせをしながら私が手直しを加えつつ、仕上げた感じなっています」

――この曲もそうですが、最近では榊原さん自身が作曲をなさることも増えていますよね

榊原「そうですね、自分で自由に作るのと、タイトルの世界観にあわせて作るのとでは、まったく作業は異なってしまうのですが、いまのところはバランスもよく、それぞれがいい刺激になっています。題材にあわせて、その世界観を曲で表現するのも好きだし、自分が今持っているイメージを曲にするのも好きなので、本当にいいバランスで仕事ができているなって思います。どちらかに偏ると、何らかの葛藤が出てくると思うんですよね」

――ちょうど今ぐらいが榊原さんにとっても良いバランスという感じですか?

榊原「自分で好きに作る曲とタイアップ曲とのバランスもいい感じだと思いますが、タイアップ曲の中でも、本当にいろいろな題材がきますし、オリジナル曲でも、今回は可愛い感じですが、去年はカッコいい感じにしたりという感じで、それぞれの中でもさまざまなパターンがあって、本当に良いバランスの中で仕事ができていると思います」

――ちなみに、榊原さんが曲を作る際は、すでにダンスのイメージもあったりするのですか?

榊原「PVを撮ることが前提になっている場合は、特にそうですね。今回の『Decoration』は、バキバキのダンスチューンではないので、自然な感じに作っていますが、いつものようなダンスチューンの曲だと、特に間奏部分では、PVを想定して、ここはこれぐらいの尺がほしいとか、ここでリズムをあててほしいとか、そういったことをアレンジャーの方とすり合わせながら作っていきます。わざわざスタジオにまで押しかけていって、ここで『ダ、ダッダ』っていうリズムがほしいですとか、ここで当てる振りが入るのでとか、細かいイメージまでお伝えしたりしています。アレンジャーの方にはちょっと申し訳ない感じなんですけど(笑)」

――可愛くて、甘々という「Decoration」ですが、その仕上がりは最初のイメージどおりという感じですか?

榊原「当初は、歌い方や声色を、どの方向に寄せようかというところで悩んでいたんですけど、実際に歌ってみたら、完全に可愛い路線にして、キュルっとした感じで歌ってもいけるなって。最初は、もうちょっとポップス寄り、榊原寄りにしようかとも思っていたのですが、意外と可愛いほうがあっていたので、より甘々な感じに仕上がっていると思います」

――"榊原寄り"とおっしゃいましたが、榊原さんが思う"榊原寄り"とはどういった方向になりますか?

榊原「どちらかというと、去年の『BLOODY TUNE』のような方向性が"榊原寄り"ですね。もともと地声はハスキーで、あまり高くないので、そういった噛みつく系のほうが(笑)、声も乗りやすいんですよ。甘くて、ツルンとしていて、キュルンって感じの声は、作っていると言いますか、かなり女の子の気持ちになって歌わないと出てこないので(笑)」

(次ページへ続く)