Google オンラインパートナーシップグループ法人営業部 キム・チョンサ氏が登壇

7月29日に開催された、毎日コミュニケーションズが主催するスマートフォンイベント「マイコミ スマートフォンアワード 2011」では、スマートフォン関係者や開発者らによる講演・セミナーが行われた。

本稿では、講演でAdMobの活用事例を紹介したGoogle オンラインパートナーシップグループ法人営業部のキム・チョンサ氏による講演の模様を紹介する。

キム氏の講演タイトルは、「AdMobを活用した最新のアプリの収益化と事例紹介」。スマートフォンアプリやスマートフォンサイトで多く利用されているバナー広告、AdMobの活用事例を中心に、アプリビジネスのヒントとなる内容の講演となった。

キム氏は冒頭で、日本におけるモバイルをとりまく状況について解説。モバイル先進国である日本では、現在1億2千万台近くの携帯電話が使われており、そのうちの2千万台強がスマートフォンで、2014年にはスマートフォンが全体の過半数になるという予測を紹介した。

また、スマートフォンのシェアが伸びるとともにスマートフォン用のアプリマーケットも急拡大しており、iPhone・iPad向けのApp Storeでは42.5万本、Android向けのAndroidマーケットでは25万本のアプリが提供されていると述べた。さらに、スマートフォンからのGoogle検索の回数は、2010年の1年間で7.3倍に増加したと解説した。

2014年にはスマートフォンユーザーが携帯電話全体の過半数に

スマートフォン用のアプリマーケットも急拡大

続いてキム氏は、AdMobの活用事例として、iPhone・Androidアプリで人気のカジュアルゲーム「Paper Toss」を提供しているBackflip Studios社を紹介。同社がAdMobを導入して無料で提供している広告モデルのアプリの累計ダウンロード数は4750万件に上り、月間の広告売上は50万ドルにもなる述べた。キム氏は、もし月50万ドルの売上を、広告モデルではなくアプリを有料にして得ようとした場合には、毎月66万件のダウンロードが必要になると指摘した。

日本市場においては、無料アプリしかダウンロードしないユーザーが増加傾向にあるという調査も紹介したうえで、無料アプリに広告を導入するモデルが収益面では安定していて有効だと述べた。さらに、収益がダウンロード数に比例しないのが広告モデルの特徴だと加えた。

「Paper Toss」を提供しているBackflip Studios社の事例を紹介

無料アプリしかダウンロードしないユーザーが増加傾向にある

キム氏は、どのようにすればアプリビジネスで収益を上げられるかについて、開発前にコンテンツをとことん考え抜くことと、ターゲットを絞り込みターゲットを正しく理解することが重要だと述べた。アプリをインストールするユーザーの43%は、アプリマーケットで初めてアプリを発見するため、タイトルも大切であるほか、37%は知り合いの紹介でアプリをインストールするため、FacebookやTwitterとの連携機能も欠かせないとした。また、口コミなどの"バズ"の上手なマネジメントが必要だと述べた。

開発前にコンテンツをとことん考え抜くことが重要

ユーザー目線でターゲットを正しく理解する

広告モデルによるアプリビジネスを始めるのに最適なのがAdMobだと述べたキム氏は、AdMobのおもな特徴を紹介。Android、iOS、BlackBerryなど様々なプラットフォームに対応していることに加えて、グローバルなネットワークに対応しており、海外向けのアプリでも収益化できる点、ハイエンド端末向けにリッチで先進的な広告フォーマットを利用できる点などを挙げた。また、カテゴリやテキストでフィルタリングを行い、広告をコントロールできることや、細かい調整が可能な自社広告機能、AdMobの広告がない場合にGoogle Adsenseで補完する機能も特徴であるとした。

"バズ"のマネジメントも重要になる

AdMobは様々なプラットフォームに対応

広告を柔軟にコントロールできる

特定のユーザーや端末を対象として自社広告を配信することなどが可能

キム氏は、AdMobの実装は非常に簡単で、Webサイトにアクセスしてメールアドレスを登録するだけですぐに利用できると紹介。最後にキム氏は、今後もスマートフォンのアプリマーケットに貢献していき、素晴らしいコンテンツを作ってもらうための収益化をサポートしていきたいと述べた。