【レポート】
Spansionの日本法人である日本スパンションは7月25日、同社製品に関する技術説明会を行った。今回は米国SpansionのAli Pourkeramati氏(Photo01)の来日にあわせて開催されたものだが、同時に今年5月に日本スパンションの代表取締役社長に就任した小林彰則氏(Photo02)のお披露目の場ともなった。
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Photo01:Senior Vice President, Marketing and Business DivisionのAli Pourkeramati氏。前職はやはりSVPながらR&D部門を指揮し、同社のCTOも勤めていた |
Photo02:小林彰則氏。Intelから今年5月に転職されてきた |
さて、肝心の内容であるが。今年2月に開催された発表会から何か大きく変った、というわけではない。まずマーケットシェア絡みで言えば、引き続き順調に推移している(Photo03)といったところ。ビジネスモデル的には、Flash Memory単体での供給から、オンチップ集積や、IPでの供給も視野にいれつつある事を示した(Photo04)。
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Photo03:今年第1四半期の売り上げは昨年第4四半期から減収の2.93億ドルながら売上総利益率は23.5%(昨年第4四半期は20.9%)と順調。ただし純損失はまだ1410万ドルの赤字(GAAPベース)で、もう一歩といったところ。詳細な数字はこちら(注:リンク先はPDF) |
Photo04:左側は現在のSpansionの製品の得意とするポイント。これを使い、単にプロセッサの脇にNOR Flashが置かれるだけでなく、将来的にはSoC内蔵なども視野にいれてゆくという話であった |
さて、ここからが今後の話である。現在は90nm及び65nmでの生産を行っているが、既に45nmについてのTechnology Validationは完了した(Photo05,06)という話であり、また現在車載向けには-40℃~85℃の動作温度保障製品を提供しているが、これを105℃/125℃まで引き上げた製品を投入するほか、カメラ向けにも積極的に製品を投入してゆくとしている。
具体的な製品という視点では、Parallel NORで128Mb~8Gbの製品を、Serial NORでも128Mbit~1Gbitの製品を随時投入してゆく予定で、また2012年末には現行の65nm製品に加えて45nm製品も投入されることになる(Photo09)。
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Photo09:ちなみにこの図にはSPI接続のSerial NOR Flashが抜けている。一番下の16/32/64Mbit品については、顧客からの「低容量のSerial NOR Flashがほしい」という要求にこたえるためのものだそうだ |
一方前回の説明会でも言及された、エルピーダメモリとの協業の形で投入されるNANDについても、前回よりも幅広い用途でニーズの確認ができたようであり(Photo10)、同社のNOR Flashを既に利用している顧客をターゲットに、補完的な形で提案を行ってゆくとしている(Photo11)。同社の場合、チャージトラップ型のNANDを利用することによる高信頼性が主な特徴であり(Photo12)、このためロードマップも(特に容量に関しては)控えめなものとなっている(Photo13)。
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Photo12:SpansionのSLC NANDの特徴。記憶容量を追う方向には行かないので、MLCに関しては今のところ提供予定がないとか |
Photo13:NANDロードマップ。今年末から、まず1Gbit品からの量産を開始し、2023年には2xnm世代に移行して4Gb~16Gbまでラインナップを増やすそうだ。将来的にはこちらも-40℃~105℃とかの製品が登場するかもしれない |
さて、プレゼンテーションとしてはこの程度であるが、もう少しだけ。まずファウンドリだが、前工程に関しては現在AustinのFab25(AMDから移管されたものだ)で200mmウェハを使い65nmプロセスで量産を行っている一方、Texas Instruments(TI)と富士通セミコンダクター、SMICと契約しており、更にNANDに関してはエルピーだともファウンドリ契約を結んでいる。このFab25に関して、たとえばより微細化したプロセスに移行する、あるいは300mmウェハに切り替えるといったことに関しては"No Plan"という話であった。これは微細化/300mmウェハ化をしないという意味ではなく、今後のビジネス次第だが今のところ具体的な計画は無いという話だった。
世界的にも先端プロセスが28nmに移行しつつあり、更に20nmも視野に入り始めているから、Spansion的に45nmの量産が本格化する2014年あたりになると、40~45nmのファウンドリは相対的に余り始める時期で、無理に自社で抱え込む必要は無いこと、同社は最長15年の供給保障を行っており、2020年台まで65nm世代製品の供給を行う必要があること、財務状況はだいぶ改善したとは言え、まだ直近では赤字決算になっている状況では、コストのかかる投資は行いにくいこと、などの要因がここでは考えられる。まぁ現状のようなビジネスを続ける限り、あわててFab25の生産能力増強とか微細化を考える必要がないのは間違いないだろう。
また昨今ではNORの代替としてPCM(Phase Change Memory)やMRAMなどいろいろな代替テクノロジの実用化が目前とされるが、これに関しては個人的な見解と前置きをした上で、こうした代替製品はいずれも信頼性や生産性の観点で直ぐにNORを置き換えるとは考えられないとした。Spansion自身もこうしたテクノロジをいろいろ研究しているが、今のところはまだNOR Flashにアドバンテージがあるとの事だった。
また日本市場との係わり合いに関し、小林社長より「Spansionの全売り上げに占める日本市場の割合は20%を超えており、その点では大きな存在感がある。また組み込みの中でも産業用や自動車向けに関しては、日本が世界の中でリーディングポジションを握っており、このため将来の製品計画あるいは技術計画に影響を大きく及ぼすため、日本の顧客の声を本社に届けるのが日本スパンションの使命である」と説明があった。
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