【レポート】

「Lionは思ったままに動くOS」 - OS X Lion、MacBook Air、Mac mini説明会

 

新製品のMacBook Air(手前)とApple Thunderbolt Display(奥)

アップルは20日に発売となったOS X LionおよびMacBook Air、Mac mini、Apple Thunderbolt Displayについてプレス向けのブリーフィングを開催した。とくにOS X Lionについてはユーザーインタフェースの変更についてその狙いを説明し、「『こういうふうに使いたい』と思ったとおりに動くOS」とその使いやすさをアピールした。

MacBook Air/Mac miniは第2世代Intel Coreで性能向上

ブリーフィングの冒頭では、まずアップルの好調な近況について、数字を挙げてアナウンス。395万台のMacを売り上げて年度の第3四半期としてはこれまで最高の業績、市場の5倍の成長を達成し、市場以上の成長はこれで21四半期連続になるとのこと。これらについては直前のカンファレンスコールで公表されていたとおりだ。

そしてMacBook Airの紹介に移る。昨秋導入された超薄型筐体はそのままに、性能を大きく向上させた点を強くアピールした。新製品のポイントとして挙げたのは、「第2世代Intel Coreプロセッサ搭載」「Thunderboltインタフェース装備」「最大256GBのフラッシュメモリ」「バックライト付きキーボード」「OS X Lion」の5点。説明によれば、プロセッサのアップデートなどにより、新MacBook Airのパフォーマンスは前モデルの2倍という。最後に「Ultimate everyday notebook」すなわち究極の日常用ノートPCと同製品を表現した。

新型MacBook Air。13インチモデル(左)と11インチモデル(右)

右側面、従来のMini DisplayportがThunderboltポートに変わっている

キーボードはF3キーとF4キーにそれぞれMission ControlとLaunchPadに割り当てられることになるため、キーのプリントが前モデルと違っている

もうひとつのMac新製品がMac mini。第2世代Intel Coreを搭載し、Intelプロセッサと外付けグラフィックスを採用した初のMac miniになったことで(ただし下位モデルはCPU内蔵グラフィックス)、パフォーマンスはやはり2倍に向上したという。また、今回のリニューアルにより光学ドライブが非搭載となったが、サーバーモデルではそのスペースを利用してHDDを2基搭載。CPUもクアッドコアのCore i7を搭載したことで従来の3倍のパフォーマンスを実現。スモールビジネスや教育などに最適なサーバーになったという。

Macノートの最適なパートナーとなるApple Thunderbolt Display

その新型MacBook Airをはじめ、ノートブック製品と合わせて利用することを強く意識しているのが「Apple Thunderbolt Display」だ。この製品の最大の特徴は、MacとThunderbolt経由で接続することで、ディスプレイ側に搭載した各種インタフェースを利用できる点。Macとディスプレイを接続するThunderboltケーブルは、映像信号をディスプレイに出力するだけでなく、USBやFireWire 800、LANなどの信号をやりとりできるうえ、Macに電力を供給するMagSafeコネクタも備えている。むろんデスクトップMacと接続して使ってもよいが、同社が「Ultimate docking station」と表現するとおり、ノートブックでの利用で真価が発揮されそうだ。

Apple Thuderbolt Displayから伸びるケーブルが二股にわかれ、一方がThunderboltポートへ、もう一方がMagSageコネクタに接続される。これで、ディスプレイへの映像出力が行えるだけでなく、ディスプレイ背面に装備された各種インタフェースを利用できる

また、CPU内蔵のグラフィックスではなく外付けのグラフィックスを搭載したMacでは、このThunderbolt DisplayのThunderboltコネクタの先にもう1台のThunderboltディスプレイを接続することで、2,560×1,440ドットのディスプレイを2画面で5,120×1,440ドットの画面として使うことができるという。なお発売は「60日以内」と、すこし先のことになる。

Lionのインタフェースはマルチタッチを最大限に活用

Lionの個々の機能の紹介は、他のレビューなどとも重複するところがあるのでここでは割愛させていただく。大事なのはLionの位置づけだ。説明によれば、Lionは「iPhone/iPadではじめてApple製品に触れた人に、Macを使ってもらう」ということを目指したものだという。

その中核になるのがマルチタッチジェスチャーで、「これまでのものから2、3段階上がった」とのこと。マルチタッチジェスチャーはLionのさまざまな新機能において重要な役割を果たしており、たとえばフルスクリーンアプリケーションでは3本指のスワイプでアプリの切り替え、Mission Controlの呼び出しは3本指で上へスワイプなど、操作の基本に位置付けられている。現在、Macの販売においてトラックパッドを搭載したノートブック製品の占める割合が高いことから、こういったマルチタッチに強く依存したUIが可能になったといえるだろう。

OS X LionのUIの新機能、Mission Control(左)とLaunchPad(右)

なお、LionのUIに関して一部で話題になった、2本指のタッチ操作によるスクロールの方向がSnow Leopardまでとは逆になるということについては、「初めに違和感があるのは否定できないが、10分使っていれば慣れる」とのこと。どうしても慣れないユーザーにはコレまで通りの方向で使うオプションも用意される。

フルスクリーンアプリケーションやオートセーブなどの機能は、アプリケーション側での対応が必要。このため、今回のLionリリースにあたり、アップルでは3,000以上のAPIを新たに公開しているという。

Mac App Storeで全てを完結

発表の時点で話題になったとおり、OS X LionはMac App Store経由での販売のみで、基本はSnow Leopardシステムからのアップグレードインストール。このため、Snow Leopardも当面、オンラインのアップルストア限定ではあるが、販売が継続される。現時点でSnow Leopardを導入していない環境でLionに移行するには、まずオンラインのアップルストアでSnow Leopardのパッケージを購入し、届いたSnow Leopardをインストール。そのうえでMac App StoreからLionにアップグレードすることになる。

Snow Leopardはオンラインのアップルストアで販売を継続する

なお、インストール方法の基本はMac App Storeであるとしながらも、ネットワークなどの環境が整っていないユーザーがいることを考慮し、8月下旬からUSBメモリ形態でのLion販売(オンラインのアップルストアのみ)も行うという。

ちなみに、6月6日以降にLionがインストールされていないMacを購入したユーザーを対象としたOS X Lion Up-To-Dateプログラムも、今回はWeb経由で申し込みからインストールまですべてが完結する。企業向けの一括購入プログラムも、物理メディアを介することなく、インストーラの入手、複数ライセンスの購入、複数機器へのインストールまでオンラインで完結できるようになった。アプリケーションやOSの流通・配布をネットワーク上で完結させようという強い意志の表れだ。

OS X Lion Up-To-Dateプログラムも物理的なやりとりを介することなくオンラインで完結する


今回のブリーフィングはOSのメジャーアップデートと多数の新製品の投入というタイミングで開催されたため、内容が盛りだくさんでここではすべてをお伝えすることができそうにない。マイコミジャーナルでも引き続きOS X LionおよびMac新製品についてレビューなどで情報をお届けしていく予定なので、ぜひ楽しみにしていただきたい。

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