Cooler Masterのブースでは、今シーズン発売予定のCPUクーラーなどが展示されていた。同社は一般来場者向けの展示ブースのほか、別の場所にプライベートルームも用意していたのだが、そちらはNDA(秘密保持契約)ベースだったのが残念。いろいろと面白い製品があったので、来年からは、こういったものもなるべく一般ブースに出して欲しいところだ。

展示会場には一部の製品を出品。こちらにはパネルだけしかなかったり…

CPUクーラー×6モデル

「Project A-L2」(コードネーム)は、メンテナンスフリー型の水冷CPUクーラー。ラジエータは12cmファンのサイズで、価格は100ドル前後。8月に発売する予定だという。同様の他社モデルに比べ、ヘッド部の大きさが目立っているが、これはより強力なポンプを採用したためだとか。ラジエータが14cmファン×2個になった上位モデルも計画されているそうだ。

柔らかめのチューブを採用していた。ヘッド部はかなり大きい

この水冷ブロックのフィン構造は同社のパテントだという

「Project S600」(同)は、サイドフロー型CPUクーラーの新モデル。このモデルはハニカム風のフィン構造を採用したのが特徴となっており、この構造によりフィンの表面積を増やして、冷却能力を向上させた。またCPUソケットに対して10°の傾きがあるが、これはケース前面下方にある吸気ファンからのエアフローを効果的に取り込むためだという。発売は7月の予定。

ベースのこの角度によって、ファンが少し下を向く形になる

ハニカム風のフィン構造を採用。これにより表面積が増している

「Project V-A2」(同)は、高さが59mmというロープロファイルCPUクーラー。15mm厚の12cmファンを搭載しており、設置スペースが狭いMini-ITXケースなどでの利用に良さそうだ。ヒートパイプは4本で、直付けタイプを採用している。

高さを59mmに抑えたトップフロー型のロープロCPUクーラー

薄型の12cmファンを搭載。500~1,600rpmのPWM制御となる

「GeminII S524」はトップフロー型のGeminIIシリーズ(日本名:風神匠)の新モデル。CPUだけでなく、周辺コンポーネントも同時に冷却するという特徴は継承。S524では、ヒートシンク下部に特に大きなスペースが確保されており、メモリとの干渉を避けるよう配慮された。付属ファンは12cm径だが、14cmファンも取る付けることは可能だ。

ヒートシンクの下の大きなスペースはメモリ用だという

標準では12cmファンが付属するが、穴はあるので14cmファンも設置可能

「Hyper 612S」「同 612PWM」は、スタンダードなサイドフロー型CPUクーラー。両モデルの違いは搭載ファンで、612Sは1,300rpmの静音バージョン、612PWMは600~2,000rpmのパフォーマンスバージョンとなっている。

静音向けの612S。回転数は付属アダプタによって900rpmまで落とすことも可能

ハイパフォーマンス向けの612PWM。ヒートシンクの上にはブラックのカバーも

拡張性も高い静音ケース

PCケースで注目なのは、静音向けモデルの「Silencio 550」。フロントとリアには800rpmの12cm静音ファンを搭載し、サイドパネルとフロントカバーには吸音シートも貼られている。7月の発売予定で、価格は13,000円前後となる見込み。

静音ケース「Silencio 550」。内部もブラック仕上げだ

マザーボードはATXに対応。5インチベイは3つ、3.5インチベイは7つ用意されている。静音向けのケースではあるが、グラフィックスカード長は281mmまでサポート。HDDケージを外せば400mm、さらにフロントファンまで取れば最長427mmまでのスペースが確保できる。ある程度の拡張性の高さもあるのは魅力だ。

フロントにはUSB 3.0ポートのほか、SDカードリーダーも搭載

フロントパネルにはHDDドックも1ポート用意されている

HDDケージを1つ外せば、最長40cmオーバーのVGAも利用可能

ケーブルは背面側を通すことができる