こんにちは。一日3時間をニコニコ動画に費やすダメ社会人、山田井ユウキです。

今日もさっそく最近流行の動画や埋もれている良動画を独断と偏見で皆さんに紹介していこうと思います。選ぶ基準はただ一つ、僕の趣味です!

ボーカロイドといえば、まっさきに名前が出てくるのはやはり初音ミクでしょう。ためしに「初音ミク」でタグ検索をすると、実に92,836件もの動画がヒットします(5月27日現在)。

しかしもちろん、ボーカロイドは初音ミクだけではありません。鏡音リンとレン。KAITOとMEIKOや巡音ルカ、さらにはGACKTの声を用いたがくっぽいどなど、実に多種多様なキャラクターが存在しています。

そんなボカロ戦国時代にあって、発売が2009年6月26日と比較的最近でありながらも、先輩たちに負けない人気を獲得したボーカロイドがいます。

その名はメグッポイド――キャラクター名はGUMI。

今回は彼女と彼女が歌う楽曲を個人的なお気に入りリストからご紹介しつつ、その魅力に迫っていきたいと思います。

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GUMIのソロ曲としてはやはりこの動画を外すわけにはいかないでしょう。作曲者はニコニコ動画屈指のヒットメーカーである「DECO*27」。再生数は驚異の340万で、その人気を証明するかのように多数の派生作品がファンにより投稿されています。

当たり前ですが初音ミクとはまったく声が違います。ボカロ曲に慣れていないとピンとこないかもしれませんが、並べて聴くとその違いはよくわかります。

そのGUMIの声を担当した"中の人"は声優の中島愛。アニメ好きな方には『マクロスフロンティア』のランカ・リー役でおなじみでしょう。緑髪の歌姫という点でも共通していますね。ちなみに中島愛は「GUMI」という名前の名付け親でもあります。

がくっぽいどに続くインターネット社から発売のボーカロイド、そして中島愛が声を担当するということで注目を浴びていたGUMIは、発売直後から数々のボカロPが楽曲を書き下ろし、異例のスピードでヒット曲を連発していきました。

たとえばこの「ぼくらの16bit戦争」は、GUMI発売からわずか2週間で投稿された「saskure.UK(ささくれP)」作詞作曲のGUMIオリジナル曲で、現在の再生数は120万超。印象的なプログレッシブロックサウンドとキャッチーなメロディー、そして「終末」をテーマにした歌詞の世界観が抜群の中毒性を生み出し、GUMIの持つ魅力と可能性をニコ動中に知らしめた作品です。

今年に入ってから誕生した「パンダーヒーロー」もGUMIの代表曲の一つ。作詞作曲の「ハチ」はこの他にも多数のヒット曲を生み出したボカロPであり、"ハチ節"とでも呼ぶべきメロディーで毎回多くのユーザーを虜にしています。また、メロディーを生かしつつも深みのある歌詞には毎回驚かされるばかり。この楽曲でもGUMIの声の良さを引き出しながら見事に独自の世界を作り上げています。

個人的に外せないのが「Just a game」。「takamatt」による本楽曲は、宇田川町をテーマにしたセンスあふれるオシャレが楽曲。初見時は出だしのアカペラにちょっとびっくりするかもしれませんが、最後まで聴くともう抜け出せなくなっているはず。聴いているうちに深夜のバーでゆったりとお酒を飲みたくなってくる名曲です。

発売当初からヒットを連発していたGUMIですが、最近になってもその人気はまったく衰えを見せません。「40メートルP」による「キリトリセン」と「夢地図」は、それぞれ今年の2月26日、4月30日に投稿された楽曲で、40メートルPらしい爽やかなサウンドと、シンプルかつ一度聴いたら忘れないキャッチーなメロディーが耳に心地良い。本当はどちらか一曲だけ紹介しようかなと思っていたのですが、どうしても選べなかったので両方聴いてください。

たまたま投稿されたときに見つけて、一発でマイリスト行きになった楽曲。制作は「ゆちゃP」で、本人曰く「あげぽよな曲調」というノリの良いメロディーにトランプをテーマにしたという歌詞が完璧にマッチ。

「Junky」によるロックナンバー。バンドサウンドってGUMIにはどうなんだろうと思ったら、非常に声との相性が良くてびっくりしました。ボーカロイドにはそれぞれ得意なジャンルやテンポがあり、それも個性の一つなのですが、GUMIに関しては本当に何でもいけるなと思いました。

そして、最後はやっぱりこの楽曲で締めるべきでしょう。

オリジナル曲だけではなく、カバーもいけるGUMI。となれば、最初に誰もが思い浮かべるのはやはり『マクロスフロンティア』の「星間飛行」ですよね。そもそも"中の人"が歌っていた楽曲なので、ボーカロイドになっても違和感はゼロ。カバーといいつつカバーではない何だか不思議な感覚の動画です。もちろんこの違和感のなさを実現しているのは、調律した「神無月P」の凄まじいテクニック。もともとボカロを用いたカバー曲を専門にしていたボカロPなのですが、特にGUMIについては「伝説のGUMIマスター」というタグが視聴者から贈られるほどの技術を披露しており、これはマクロスFファンならずとも必聴です。

ということで、発売から2年経ってもたくさんのボカロPに愛され続けるGUMIことメグッポイドの楽曲紹介でした。

この他にもまだまだ名曲はたくさんありますので、ぜひお気に入りの一曲を探してみてください。

勝手エヴァンジェリスト・山田井ユウキ

1980年生まれ。レビューサイト「カフェオレ・ライター」で、映画、漫画、ゲームなどを独自視点からレビューする他、「builder by ZDNet Japan」「ハリウッドチャンネル」など各種媒体で記事を連載中。どんなに忙しくても一日数時間ニコニコ動画に費やすという、社会人としてあるまじき生活を謳歌中。好きな動画ジャンルはゲーム実況、ボカロ、他エンタメ系全般。

(タイトルイラスト:3P3P)

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