昨年はスマートフォンが大ブレイク。数あるスマートフォンの中でもiPhone人気は不動! 私の周囲もハッキリ言って気持ち悪いぐらいiPhoneだらけ―― なんですが、意外と早くも「デカめの電話化」していたり「ゲーム/カメラ専用機化」していたり、静かに挫折している人もチラホラ……。周囲のそんなユーザーに理由を尋ねてみると「イマイチ入力になれない」とか「日本語入力がイライラする」って声が出てくるのです。

それらの理由を考えてみると、「iPhoneって説明書なんて見なくても(説明する気があるのかも怪しいところもありますが……)とりあえず操作できてしまう」という、Apple製品の優れた所が仇になっているかもしれません。説明書なしで操作できてしまうため、ほとんどの機能を知らないまま使いつづけて「イマイチ」と感じてしまう人が多いのではないでしょうか?

そこで今回は「日本語入力を制すれば、iPhoneは3倍くらい楽しい! 」をテーマに、iPhone初心者に向けて日本語入力周りをできるだけ分かりやすく解説して行きたいと思います。「3倍」は、勢いでつけてみましたが、まあ、それくらい楽しいハズです。ゆるゆるやりますので、どうぞお付き合いください。目標は「TwitterやメールをiPhoneでバリバリ使う! 」です。なお本連載で使用するOSはiOS4.3です。

まずは入力環境の説明

今回の連載では、できるだけ面倒くさい説明を省いて行きたいのですが、はじめに基本事項としてiPhoneの入力環境、つまりキーボードについて解説します。

携帯電話やパソコンから移行するとまずちょっと戸惑うのが、iPhoneのキーボードです。「なんかやたらといっぱい種類があってどれを使えばいいのかわからない」と感じる人も多いでしょう。

まずはiPhoneで利用できる入力方法を紹介します。まずキーボードですが、日本語テンキー、日本語フルキーボード、英語キーボードの3種類がプリセットされています。これに、日本独自のEメール(i)、SMS/MMSなどのアプリで限定的に「絵文字キーボードが加わります。

日本語テンキー

日本語フルキーボード

英語キーボード

「日本語フルキーボード」と「英語キーボード」はパソコンと同じ文字配列(QWERTY配列といいます)のアルファベットキーボード。「日本語キーボード」はローマ字入力用、「英語キーボード」は英語専用です。この2つのキーボードはそれぞれ必要に応じて「数字キー」「記号キー」が用意されていて切り替えて使用します。

「日本語テンキー」は携帯などで馴染みの深いテンキー型キーボード。他の2つのキーボードと同じように、「英語キー」「数字キー」を切り代えることができます。この「日本語テンキー」はさらに入力方法が、2通り用意されているのが特徴です。ひとつはキーをタップするごとに登録した文字が切り替わる(あ、い、う……)、いわゆる「携帯打ち」、そしてもうひとつがiPhone独自の「フリック入力」です。フリック入力は、上下左右に指を滑らせて目的の文字を選ぶ入力方式。きっと見たことがあるでしょう?

URL入力時に表示されるキーボード

3つのキーボードは左下の地球儀アイコンをタップすることで、「日本語テンキー」→「日本語フルキーボード」→「英語キーボード」の順番に切り替わります。切り替えの際、2つの英語キーボードがわかりにくいのですが、日本語キーボードの方は切り替わった瞬間にスペースバーの表示が「日本語キーボード」→「スペース」と表示され、英語キーボードは「English(US)」→「space」と表示されます(どちらにしてもわかりにくいんですが……)。

さらにURLを入力する画面では自動的にURL入力用の配列に変わっていたり、他国語のキーボードを追加できたりと相当に柔軟です。

メールなどで使用できる「絵文字キーボード」は、他キャリアの携帯電話とも互換性のある、現時点で468種類(2011年3月23日時点)の豊富な顔文字が用意されています。これもかなり強力ですね。

絵文字キーボード

この豊富なキーボードと入力方式で、現在馴染んでいる環境に一番近い入力方法で始めることができるようになっているわけです。周囲を見ると、QWERTYキーボードで両手打ち(これも慣れると早いそう)、日本語テンキーで携帯打ちしている人が意外と多いようです。

ただ本連載では「iPhoneはフリック入力をマスターしてこそ華! 」と決めつけてしまいます。

せっかくiPhoneを使用するのですから、日本語テンキーでのフリック入力を覚えましょう。個人差はかなりあるでしょうが、慣れれば相当早く入力することができるはずです。操作性も優れているのですが、おすすめする最大の理由は「iPhoneっぽくてかっこいい」からです! カッコいいに越したことは無いでしょ(多分)。

ちなみに私は日本語テンキーでのフリック入力を中心に、英数入力は英語キーボードを常用しています。理由はいずれ説明します。とにかくフリック入力はとても「気持ちいい」入力方法です!!

というわけで次回から、日本語テンキーでのフリック入力について解説していきます。

(執筆:田中淳)