このようにハードウェア的に大きな変更があった新モデルだが、実際の性能はどのくらい向上しているのだろうか? 今回、13/15/17インチの各上位モデルを借りることができたので、それぞれのパフォーマンスをチェックしてみることにした。

試用できたのは、2.7GHzデュアルコアCore i7を搭載した13インチモデルと、2.2GHzクアッドコアCore i7を搭載した15インチモデルおよび17インチモデルの3機種。いずれもメモリは4GB搭載している。

今回借りることができたMacBook Proシリーズ3モデルの「このMacについて」画面。左から13インチ/15インチ/17インチの各モデルだが、見てのとおり15インチモデルと17インチモデルはまったく同じ内容だ

これら新モデルに搭載されているプロセッサのパフォーマンスを測るため、QuickTime Playerを使ってムービーを変換するのにかかった時間を計測してみた。比較対象は現行のiMac 27インチ Core i3 (3.2GHz)と、前モデルのMacBook Pro 15インチ Core i7 (2.66GHz)、前モデルのMacBook Pro 13インチ Core 2 Duo (2.4GHz)の3機種。使用した素材と書き出した動画の解像度やフォーマットなどの詳細は次の表を参考にしてほしい。エンコード中のCPU使用率は、各モデルともほぼフル稼働状態だった。

■使用した映像素材
解像度:1,920×1,080ドット
動画圧縮規格:H.264
再生時間:4分10秒
■変換後の解像度
[HD 720pファイル]:1,280×720ドット
[Apple TV向けファイル]:960×540ドット
[iPhone向けファイル]:640×360ドット

動画エンコードの結果、下の表のように、新モデルはいずれもパフォーマンスで比較対象機を上回った。とくに驚いたのが15インチモデルと17インチモデルで、2010年4月に発売された前モデルに比べてほぼ2倍高速になっている。アップルが言う「最大2倍のパフォーマンス」というのは、誇張でも何でもなかったというわけだ。なお、新しい15インチモデルと17インチモデルは、液晶サイズやインターフェイス周りなどに違いがある以外はほぼ同じ構成で、CPUやグラフィックスも同等なので誤差程度の違いしか出ていない。

QuickTime X H.264エンコード (所要時間)
機種 HD 720pへの変換 Apple TV向けの変換 iPhone向けの変換
MacBook Pro 13インチ Core 2 Duo (2.4GHz) 9分15秒46 7分02秒54 4分04秒74
MacBook Pro 15インチ Core i7 (2.66GHz) 5分23秒20 4分40秒09 2分28秒29
iMac 27インチ Core i3 (3.2GHz) 4分57秒39 3分38秒43 2分14秒90
MacBook Pro 13インチ Core i7 (2.7GHz) 4分18秒05 3分16秒58 1分56秒60
MacBook Pro 15 Core i7 (クアッドコア2.2GHz) 2分55秒07 2分13秒15 1分19秒14
MacBook Pro 17 Core i7 (クアッドコア2.2GHz) 2分55秒08 2分12秒32 1分17秒66

この結果から、いかに新モデルのパワーが凄まじいかが実感していただけたのではないかと思う。

解像度が1,920×1,080ドットのムービーのエンコード中に、CPU使用率を表示させたところ。各CPUコアともほぼフル稼働状態になっている。なお、Web閲覧などではファンの音はほとんど気にならないが、動画エンコード中はそれなりに音がする。しかし音のレベルは従来モデルと体感的にほとんど変わらない