スマートフォンやタブレット機を購入したらパソコンを立ち上げる頻度が減った、という人は多いのではないだろうか。筆者もそのひとりで、最近ではWebの閲覧や簡単なメールのやりとりであれば、全てスマートフォンで済ませるようになった。パソコンが欲しくなるのは、長文を入力するとき。フリック入力ではどうしても時間がかかってしまうからだ。これまで、パソコンに向かうときは「QWERTYキーボードの快適さ」を改めて実感するときだった。

そこで今回、HID、SPP両プロファイルに対応した、エレコム製の折りたたみ型のBluetoothキーボード「TK-FBP017BK」を購入し、手持ちのHTC Desire HD(HTC製)とSPPプロファイルで接続して使ってみた。

革製の専用収納ケースが付属する(写真左)。キーボードは半分に折りたためる形状なので、持ち運びにも便利

キーの間隔は市販のモバイルノートPCと同じくらい余裕があり、打ちやすい。サイズは広げた状態で、幅285.6×奥行99.3×高さ14.1mm

ここで、プロファイルについて簡単に説明しておきたい。現在、様々な機器で利用されているBluetooth通信だが、その用途によっていくつかの種類に分かれる。それがプロファイルによる分類だ。通信機器同士が同じプロファイルに対応していないと、通信はできない。iOS 4を搭載しているiPhone 4、iPadに標準装備されているHIDプロファイルは、マウスやキーボードなどを無線化するためのもの。現在市販されているBluetoothキーボードもこのHIDプロファイルで通信を確立させるタイプが多い。試しに本キーボードをiPadとHIDプロファイルで接続してみたところ、簡単に文字入力できる環境が整った。

本機は電源ボタンを左に動かせばSPPで接続、右に動かせばHIDで接続できるようになっている(写真左)。iPhone 4やiPadの場合、ややこしい設定は必要なく、ペアリングするだけで本キーボードの使用が可能になる

残念なことに、Android端末はまだHIDプロファイルに対応していないものが多い。ドコモのSH-03C LYNX 3D、ソフトバンクモバイルの003SH GALAPAGOS、Desireシリーズ、auのIS03、IS06 SIRIUS α、EMOBILEのS31HT HTC Aria、S31HW Pocket WiFi Sなどは現在、HIDプロファイルに未対応だ。

しかし、このTK-FBP017BKはAndroid端末に標準装備されているSPPプロファイルでもBluetooth接続を確立できるキーボード製品なのだ。本稿では、手持ちのHTC Desire HD(HTC製)を使い、TK-FBP017BKにSPPプロファイルで接続したときの使用感をレポートする。

HTC Desire HDはHIDプロファイル未実装、Android 2.2搭載のスマートフォン

キーボードの上面にはスマートフォンを立てかけられるスタンドが収納されている