さて、筆者が1周目をクリアした感想を述べておこう。まず、戦闘システムなどは申し分なく面白い。特に、他人の意識に潜入して戦うという斬新なオーバーダイブシステムは秀逸。イベントシーンやムービーも随所に盛り込まれ、過剰でも過不足でもなくバランスが良いという感じだ。しかし、ストーリーに関しては少し難解、というか少々説明不足な感じがした。

スクウェア・エニックスのゲームだけあり、美麗ムービーシーンが随所に挿入される

そんなこともあって、筆者はストーリーの再確認も兼ねて現在、NORMALで2周目をプレイ中。このゲームは、クリアデータを引き継いでプレイできるので、レベルアップしたアヤでそのままプレイできたり、OEチップを合成して様々な恩恵を受けたDNAボードがそのまま使用できる。さらに、クリア後にはスペシャルウェポンや新しい防具なども入手可能となっており、"ヤリコミ"を楽しめるシステムが豊富に用意されている。

これらの理由から、このゲームは1周しただけでは遊びつくせない……と言えるかもしれない。というのも、今作は前述したとおり「スクウェア・エニックス メンバーズサイト」と連動しての特典などが数多く用意されている。それに加え、防具やスペシャルウェポンについては、ある一定の条件をクリアすることで入手できるらしいのだが、噂によるとこれがゲームを何周かさせること(取得できるものによって異なる)が必要らしい。逆にこれらを全てコンプしようとすれば当然、何度も同じゲームをクリアしなければならなくなる。

武器や防具が強力になることで、ゲームのクリア時間は短くなるだろう。しかし、それは同じゲームを何回もクリアするという"ノルマ"を課せられているわけで、よほどの覚悟がないとコンプ不可となる。筆者のようなクリアするのに時間がかかってしまうライトユーザーや、ゲームにあまり時間が割けないプレイヤーにとっては高いハードルのように感じてしまうのは否めないところだ。

最後に、このゲームは1度クリアしただけでは理解しえない少々難解なストーリーと、オーバーダイブという新機軸のアクション、アイテム収集というプレイヤーのやりこみを促進させる要素を多分に持っている。それゆえ、ゲーム初心者でも一度、操作や戦略のコツをものにすると、また次のクリアを目指してついついゲーム機の電源を入れてしまうはず。先にも述べた「スクウェア・エニックス メンバーズサイト」でも次々にキャンペーンが展開されていることもあり、価格以上の楽しさを末永く味わえる、価値ある1本と言えるだろう。

ゲームタイトル The 3rd Birthday (ザ・サード バースデイ)
対応機種 プレイステーション・ポータブル
ジャンル シネマティック・アクションロールプレイングゲーム
発売日 2010年12月22日
価格 6,090円(UMD版)
4,980円(ダウンロード版)
CEROレーティング D (17歳以上対象)
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