日本アイ・ビー・エム理事 ソフトウェア事業 Information Management事業部長の俵雄一氏

日本アイ・ビー・エムは2月14日、記者説明会を開催し、Information Management事業の2011年の事業戦略とデータベースセキュリティ用アプライアンスの新製品「IBM InfoSphere Guardium V8」を発表した。

理事 ソフトウェア事業 Information Management事業部長の俵雄一氏は、「Information Management事業では、情報の統合、管理、分析、ガバナンスをカバーする」と述べた。

その理由について、「経営層は情報の"分析"、"統合"、"ガバナンス"を求めているが、これらのうち、情報の統合とガバナンスの強化は企業の業績向上に貢献する。情報の統合とガバナンスを実現するには、情報のサプライチェーン全体をコントロールする必要がある。こうした情報サプライチェーンをエンドツーエンドで支えるのがInformation Management製品群」と、同氏は説明した。

Information Management製品群がカバーするエリア

20011年の新施策としては、「業種・業界に特化した営業組織を新設」、「Information Management事業専任のパートナー営業部を新設」、「Information Management製品群を導入した場合のROIを無償で診断するサービスの提供」の3点が1月1日付けで実施されている。

データの「分析」に関連する製品のジャンルには、BIG Data(情報爆発)とデータウェアハウスがある。同社はBIG Dataをチャンスに変えるテクノロジーとして、構造化されたデータを扱う 「InfoSphere Warehouse」、ブログやTwitterなどの非構造化データを扱う「InfoSphere Big Insights」、Web上に流れるデータを扱う「InfoSphere Streams」を提供する。

「最近、Hadoopを取り入れた製品を提供するベンダーが出てきたが、HadoopだけではBIG Dataの問題を解決できない。当社としては、InfoSphere Warehouse、InfoSphere Big Insights、InfoSphere Streamsの3製品を連携させることで、BIG Dataに取り組んでいく」と同氏。

InfoSphere Big Insightsはまだ国内では提供されていないが、InfoSphere Streamsは国内で導入が始まっている。

データウェアハウス製品としては、Netezza、Smart Analytics System、InfoSphere Warehouseの3製品が提供される。「早さと安さが求められる場合はNetezza、トランザクションが必要な場合はSmart Analytics System、カスタマイズが必要な場合はInfoSphere Warehouseを用いる」と、同氏は3製品の特徴を説明した。

データウェアハウス3製品のすみ分け

ガバナンスを実現する製品の中核を成すのが「InfoSphere Guardium」だ。同製品は、データベースサーバにエージェントを配置することで、システムに負荷を与えずにアクセスログを監視して不正アクセスを遮断するとともに、テンプレート群に基づいて監査レポートを生成し、承認などの監査プロセスを自動化するソフトウェアだ。

今回のバージョンアップでは、セキュリティ機能と監査対応機能が強化された。セキュリティ機能としては、不正なアクセスを強制的に遮断する機能が従来のUNIXやLinuxに加えWindowsにも拡大されたほか、機密性の高いデータを非表示にする機能が追加された。監査対応機能としては、複数の承認者を設定したり、承認者が不在の場合の代替プロセスを設定したりと、きめ細かな設定が可能になった。

価格は592万5,500円からとなっており、監視するデータベースの数に伴い変動する。

IBM InfoSphere Guardium V8の対応データベースと対応OS