米Googleが2月2日 (現地時間)に「Android 3.0 Honeycomb」の概要を説明するイベントを開催した。Androidはv2.3 Gingerbreadから一本筋の通った統一感がユーザーインターフェイス (UI)から伝わってくるようになったが、それがHoneycombにも反映されている。iOSに劣らぬ"タブレット向け"のUIに仕上がっている。イベントでは、特に開発者に対してHoneycomb向けアプリの可能性をアピール。最後にウエブ版のAndroidアプリマーケットプレース「Android Market on the Web」を発表するなど、タブレットだけではなく、アプリに関してもiOSに追いつこうとするGoogleの本気が伝わってきた。

ハードウエアボタンを使わないナビゲーション

まず「ナビゲーション方法」の説明からスタートした。Honeycombでは画面下にシステムバーが配置されている。同バー内の左下に「戻る」「ホーム」「アプリ切り替え(マルチタスキング)」の3つのナビゲーションボタンが並び、右下が通知やシステムステータスへのアクセスエリアになっている。

画面左下。左から、戻るボタン、ホームボタン、アプリ切り替えボタン

画面右下に通知とステータス

Android 2.xではホームボタンを長押しするとアプリ切り替え画面が現れるが、長押しのしばらくの間によって操作の流れが中断されてしまう。Honeycombにはマルチタスキング用のボタンが用意されたので、すばやくアプリ切り替えにアクセスできる。しかもビジュアルプレビューで最近使用したアプリが表示され、アプリを容易に見分けられる。通知もビジュアル化・機能化されており、通知内容の違いをひと目で把握でき、また音楽の再生/一時停止などの操作を通知から行える。

ビジュアルプレビューで表示されるアプリ切り替え

通知もひとつずつが把握しやすく、また個別にクリア可能

クイック設定パネル

音楽再生がバックグラウンド時はヘッドフォン通知が光り、タップすると再生コントロールが現れる

イベントでは言及されなかったが、Android 2.xまでではハードウエアボタンで提供されていた「戻るボタン」や「ホームボタン」が、Honeycombではソフトウエアボタンに変更されている。デモを見た限りでは、この変更によって使い勝手が向上しそうだ。既存のiPhone/iPadやAndroid携帯では、縦横の向きを変えるとホームボタンの場所が上下左右のいずれかに変わってしまう。ホームボタンを押すために位置を確認することが多い。ハードウエアボタンは柔軟性に欠けるのだ。ソフトウエアボタンを採用したHoneycombでは、縦横の向きを変えても、ホームボタンやアプリ切り替えボタンは常に左下にとどまる。

システムバー以外のホーム画面の大部分はアプリケーションエリアになる。iOSではアプリのアイコンが並び、Androidではアイコンとウイジェットが並ぶが、Googleはウイジェットを置く場として重視しているようだ。イベントでHoneycombを説明したGoogleのHugo Barra氏は、ホーム画面を「(アプリ置き場ではなく) ユーザーがすばやく、そして簡単に情報へアクセスできる場」と位置付けた。通知およびステータス機能とともに、その役割を担うのがウイジェットだ。Honeycombではウイジェットが大幅に強化され、ウイジェットがより豊富なコンテンツを扱い、ユーザーとインタラクトする。例えばGmailウイジェットを置いておけば、Gmailアプリを開くことなく、ウイジェットからインボックスの内容を確認できる。

Gmailウイジェットからインボックスの内容をスクロールしながら確認可能