Opera’s newest Web browser introduces a new technology platform.

標準規約には可能だからといって多くの機能を盛り込めばよいというものではない。また、仮にある面で便利だったとしても、それがもたらす弊害の方が大きい場合には、標準規約として適切とはいえないこともある。ケースバイケースでの判断になるが、標準規約として判断する場合には多方面からその機能がもたらす効果を検討しなければならない。

そうした議論で槍玉に上がりがちな機能のひとつに、HTML5のVideoやAudioで指定できる"autoplay"属性がある。名前の通り自動的に再生を開始するための指定だ。たしかに、自動的に動画や音声を流したい場合、この指定は便利といえる。しかし、不必要にこの属性を使われれば、煩雑で面倒、とても厄介なページが制作されることは想像に難しくない。規約としては禁止するというのもひとつの方策だ。

Opera SoftwareでWebエバンジェリストを務めるBruce Laswon氏が自身のブログにおいて、autoplay属性が必要である理由を説明している。動画や音声の自動再生はJavaScriptでも実現できる。しかし、autoplay属性が提供されていれば、こちらの方が簡単であるためautoplay属性が使われるだろうと説明。これは逆に、ユーザが明示的に自動再生を禁止することが簡単になることも意味しているという。JavaScriptで自動再生が実装された場合、それを制限するのは中身を解析してプログラミングする必要がでてくる。ここでautoplay属性が使われていれば、この属性を削除するだけで機能を無効にできる。無効化が簡単なわけだ。

シンプルな仕様として機能を提供することで、ユーザからそうした機能の有効・無効を実施しやすい状況が生まれるというのがBruce Laswon氏の意見であり、標準規約に関するひとつの考え方として参考になる。