レビューシリーズ後編となる
「ScanSnapをフル活用するデータ整理術(後編) - オフィスも家庭も自炊でも」
も合わせてご覧ください。

2010年に発売されて話題となったiPadや、GALAXY Tabなどの大型画面を採用したタブレット端末やスマートフォンの発売により、電子書籍の本格普及が徐々に見えてきた。電子書籍に対応した端末も続々と登場しているなど、今年は電子書籍が本格的に注目されそうだ。

そんな中、本を自分で電子化する、いわゆる「自炊」がブームとなっている。実際の本だと何冊も持って歩くのはたいへんだが、自炊して電子書籍端末などに入れておけば、何冊でも持ち歩けるし、自宅の本棚も本であふれることはない。

自炊は、未経験の人には大変そうな作業に思えるが、ある程度しっかりした裁断機とドキュメントスキャナがあれば、拍子抜けするほど簡単だ。特にドキュメントスキャナの性能は大きなポイントとなり、世界中でトップクラスの導入実績を誇り、現在もっとも普及しているのがPFUのScanSnapシリーズである。

さまざまな紙文書を手軽にデジタル化できるScanSnap

ScanSnapシリーズ

ScanSnapシリーズは、主にオフィスなどにおける書類の電子化を目的に製品化されたのが始まりだ。最近ではビジネスユースだけでなく、自炊や年賀はがきの整理など、家庭での利用も増えている。スキャンしたい原稿をセットし、本体のスキャンボタンを押すと自動的にソフトが起動してスキャンを行い、指定された形式で保存される。JPEG形式とPDF形式で保存でき、PDF形式にはOCR機能で画像からテキストに変換したデータを埋め込むことが可能だ。テキストを埋め込んだPDFファイルなら、テキスト部分を抜き出したり、キーワード検索ができるようになる。スキャンしたテキストデータからキーワードを読み取り、自動的に保存先を振り分けるといった機能も便利だ。

原稿の用紙サイズは自動的に検出され、この機能がかなり優秀。フラットベッドスキャナや複合機などの場合、原稿サイズの自動検出は、原稿より少し狭く範囲選択されることが意外と多いのだが、ScanSnapシリーズではほぼ原稿そのままのサイズで読み取られる。

解像度は任意に指定することもできるが、文字の大きさなどを読み取り、最適な解像度で読み取る機能もある。とにかく書類をセットしてスキャンボタンを押すだけで、たいていは設定不要で読み取れるのが特徴だ。

大量スキャンに便利な最上位モデル

「ScanSnap S1500」
Mac専用モデルの「ScanSnap S1500M」もラインナップされている

最大50枚の連続スキャンに対応した最上位モデル。毎分20枚で両面同時スキャンできるので、1分間に40ページ分のスキャンが可能だ。読み取りサイズはA4までだが、専用の「キャリアシート」に原稿を2つ折りで挟むことで、最大A3までの書類をスキャンし、自動的につなぎ合わせてデータ化できる。自炊など大量のスキャンを行う人に便利なモデルだ。

手軽に両面同時スキャンできるスタンダード機

「ScanSnap S1300」

原稿を最大10枚セットすることが可能で、毎分8枚、両面同時スキャンで毎分16ページ分のスキャンに対応(ACアダプタ使用時)。USBバスパワーでも動作する(USBポート×2基を使用)。本体サイズはS1500とS1100の間くらいで、大量のスキャンをそれほど行わない人におすすめである。WindowsとMacintoshの両対応。

モバイルでも使える小型軽量タイプ

「ScanSnap S1100」

持ち歩いて使うことを想定して作られた小型軽量モデル。本体サイズが小さく、USBバスパワーで駆動可能だ。シートフィーダはなく、片面読み取りのみであるが、A4サイズを7.5秒/枚でスキャンできる。読み取りから排出までが水平のままスキャンできるため、プラスチック製のカードなども読み取れるのが大きな特徴だ。