鎖場や岩場、沢沿いの山歩き。少し山登りに慣れてきたら、そんな変化に富んだコースを歩きたくなってくるものだ。しかしまだまだ技術的には不安で……。そんな方にオススメしたいのが東京と埼玉の境にある棒ノ折山。棒ノ折山は棒ノ嶺ともいい、奥多摩エリアの高水三山からの縦走でも人気の山。今回は白谷沢に沿ったコースを選んだので沢沿いの山歩きが楽しめ、ちょっとした鎖場もあるため、飽きない。変化に富んだコースではあるが、冬季以外はそれほど危険な箇所もないので気をつけさえすれば初心者も登れるコースとなっている。

今回のコース

さわらびの湯バス停8:50→有間ダム(名栗湖)9:30→白谷沢登山口9:40→岩茸石11:40→ゴンジリ峠12:10→棒折山山頂12:25(休憩)14:00(滝ノ平尾根ルート)→岩茸石14:20→白地平15:00→さわらびの湯バス停16:30

有間ダム。写真奥は名栗湖。12月初旬だったのだが、まだ少し紅葉が残っていた

驚くほどの軽装で参加した後輩Aちゃん。「寒くなったら言ってね、ダウン持ってるから」と声をかけると、「なんだよー、先輩面してさー」と周囲に冷やかされる

今回は私を入れて男女4人で挑戦。まずは有間ダムによってできた人口湖・名栗湖を眺めつつ、登山口へと向かう。湖にはバイカーが大勢。そういうスポットなのだろうか……。10分ほど歩くと登山口には白谷の泉があったのだが、残念ながら水は枯れていた。気を取り直して、いよいよ登山道へ。

この日は山デビューの後輩Aちゃんと一緒。「トレッキングシューズを買って、ちゃんと履きならしてきました」とうれしそう。エライね。見ると私と同じキャラバンのエントリーモデル「C-1 02」だった。このシューズ、1万3,650円と手ごろな価格だけあって、よく山で見かける。

小さな岩をホイホイッと飛び越えつつ沢を渡ったり、壁のようにそびえ立つ大きな岩によじ登ったり。かなり楽しい

楽しく沢沿いを歩いていると、40代くらいの女性グループと遭遇。しかしそのうちの1人が沢を渡っている最中にこけてしまい、びしょ濡れになっていた。転倒にはくれぐれも気をつけたい

この日デビューの山ガールも無事に鎖場突破

30分ほど行くと、水の流れる音が聞こえてくる。白谷沢だ。ここからしばらくは沢沿いをジグザグと歩くコースとなる。尾根道もいいけれど、沢沿いは水の音で心が清らかになり、疲れを忘れさせてくれる。大きな岩が壁のようにそびえ立つゴルジュを歩き、そのスケール感に驚かされていると鎖場登場。といっても、岩は階段状になっているので、鎖がなくても上がれる程度の傾斜。山デビューのAちゃんも手を使いながらではあるが問題なしの様子だった。

写真奥に見えるのが鎖場

鎖は張ってあるが、階段状になった岩場なので頑張れば鎖に頼らなくても登れるくらい

その次に現れたのはロープ場で、こちらはかなりの角度。ひょりんと白いロープが垂れ下がっており、どこにくくりつけられているのかと探すと、なんともこれまたひょろりんな細い木である。若干の不安を覚えつつ、ロープを使って登り始める。腕力に物を言わせて「ふむむむむーーーー」と力みつつまっすぐ登るのだが、全く進めない。すると登山経験豊富な同行者が「まっすぐじゃなくて、右斜め前方向に進んでみて! 」と声をかけてくれた。言われた通りにやってみると、これがいとも簡単にスススーッと登ることができる。「さすが!! 」と感動している間に、次の人のためにロープを下ろすのを失念。慌てて下ろした。……ごめんなさい。

当初、腕力だけで垂直に登ろうとして「うぐぐぅ~」とうなっていたのだが、「まっすぐじゃなくて、右斜め前に進みながら登って! 」と同行者のアドバイスが。すると簡単に登れました。なるほど!