NTTドコモの次世代通信サービス「Xi」(クロッシィ)が、12月24日から始まった。LTE(Long Term Evolution)と呼ばれる3.9世代の携帯電話サービスで、従来よりも通信速度などでメリットがある。そんな注目サービスであるXiの実力を試してみたので紹介しよう。

Xi対応のデータ端末「L-02C」

4GにつながるLTEサービス

Xiは、LTEと呼ばれる国際標準の通信規格を使ったサービスで、これまでの3GのW-CDMA規格を使った「FOMA」サービスと同じ位置づけのサービス名だ。

LTEはドコモが提案し、3G規格の業界団体3GPPが承認、最終的には国際電気通信連合(ITU)により国際標準化として認められている規格で、欧米を始め、今後世界で使われる通信規格になる見込みだ。国内でも、ドコモに続いて2012年にはKDDIやソフトバンクモバイルもサービスを開始するとしている。

基本的にはW-CDMAの進化形となる規格だが、複数のアンテナを組み合わせて高速化させるMIMO、無線方式のOFDMAを使うなどの技術を投入している。その結果、既存のHSDPAの下り最大7.2Mbpsに比べて下り最大75Mbpsの通信速度を実現したほか、周波数利用効率3倍という大容量、伝送遅延は1/4にまで短くなるという低遅延、といった利点を備える。

現在の所、Xiの通信速度は屋外で37.5Mbps、一部屋内では75Mbpsの下り速度(理論値)。2GHz帯の5MHz幅を使って37.5Mbps、10MHz幅を使って75Mbpsの速度を実現しているが、屋外に関しては当面は37.5Mbpsの速度でエリア展開をしていく計画だ。現状では、75Mbpsまで出る場所はほとんどないが、それでも従来のHSDPAに比べれば高速化している。

ソフトバンクやイー・モバイルが、HSDPAの高速化規格としてDC-HSDPAを提供開始し、下り最大42Mbpsという点をアピールしているが、Xiのメリットは大容量や低遅延という部分もあり、単純な比較はできない。直接のライバルは、MIMOやOFDMAといった同じ技術を使っているモバイルWiMAXと言える。モバイルWiMAXもLTEも、さらに高速化した次期規格では100Mbpsを突破し、第4世代(4G)として利用されることからも、今後携帯キャリアは順次LTEに移行していくことになるだろう。